ローソン社長が語る、デジタル×コンビニの未来

【連載 CEATEC JAPAN 2018#2】ローソン・竹増貞信社長

ローソン・竹増貞信社長

 ローソンは2018年を「デジタル元年」と位置付け、店舗改革を推進している。竹増貞信社長に目指す未来のコンビニ像などを聞いた。  ―御社が考える「未来のコンビニ」のイメージを教えて下さい。  「商品の品質や接客、清掃で構成する『QSC』をデジタルで支えながら高い次元で実現できる店舗です。機械ができる仕事は徹底的に機械化し、その分、従業員は接客など心と心のふれ合いに集中。これにより利用者が来るとほっとする雰囲気や人との会話があり、街のコミュニティーとなる店舗を目指します」  ―店舗において特に機械化を推進したい業務はありますか。  「品だしや清掃などの人が簡単にできる業務がまだアナログのまま残っています。そういう部分からもっともっとメスを入れて切り込みたい」  ―デジタルによって「おもてなし」を進化させる方針も掲げていますが、具体的にはどのような構想がありますか。  「東京・千駄木に栄養士の助言が受けられる窓口などを整えた店舗を8月に開設し、利用者から好評を得ています。栄養士を全店に24時間365日配置することは難しい中で、デジタルを活用した『バーチャル栄養士』が(スクリーンなどを通じて)食事などを助言する仕組みは面白いのではないか。キャラクターのバーチャルクルーなどデジタルで遊びの要素を入れながらの展開も実現させたい」  ―直近ではスマートフォンを通じ、レジ待ちなしで決済できる仕組みを実証するなどキャッシュレス化を推進しています。  「実証は(ほとんどの利用者がスマホを持つ)オフィスビル内の店舗で進めています。仮に路面店で現金が使えないとなるとお客様に敬遠されます。コンビニは地域のインフラになっており、全面キャッシュレス化は難しい。現金社会とのバランスが重要。政府が掲げる『25年までにキャッシュレス決済比率4割』という目標実現に期待したい」  ―今月15日には「ローソン銀行」を開業しました。  「本格的なキャッシュレス時代が到来する直前に開業できたことは大きなメリット。最も新しく身軽な銀行としてキャッシュレス時代の効率的な決済手段をお客様に提供したい。足下では多くの通信・IT企業がQRコード決済に参入しており、店舗ではお客様が不便を感じないようにそれらを利用できるようにします。一方で我々は銀行として提供できるより良い決済サービスを模索します」  ―コンビニ業界は政府と25年までにすべての取り扱い商品に「電子タグ(RFID)」を貼付することで合意しています。  「実現できれば(買い物客が商品を会計レーンに通すだけで自動的に精算する)ウォークスルー決済やロボットによる商品の陳列など多様なシステムについてコストをかけずに挑戦できるほか、商品のトレーサビリティや在庫の管理が個品ごとできるようになり、店内のデジタル化が一層進みます。RFIDの活用は小売業にメリットが大きいと言われますが、そのメリットをサプライチェーン全体で分配する体制を考えていきます」  ―17年には異業種などと連携し、デジタル技術を実証するラボなどを設置しました。  「デジタル技術の活用について構想から実際の運用などにつなげる上でIT企業など異業種との連携は欠かせません。デジタル技術を使いこなすことはビジネス存続に不可欠です。その中で我々は国内外の様々な企業が、店舗を実験に使ってもらいたいと考えています。(19日まで千葉・幕張で開催されるIoT総合展)CEATEC(シーテック)の出展を機会にそれを知っていただき、ラボなどの活性化につなげていきたいです」  ―スマホで朝注文した生鮮商品などを指定の店舗で夕方に受け取れる「ローソンフレッシュピック」の対象店舗を拡大する一方、ネットで注文を受けた商品を戸別配送する「ローソンフレッシュ」は8月に終了しました。今後の電子商取引(EC)との付き合い方をどのように考えていますか。  「我々にはリアル店舗という高い価値を持つ資産があります。この価値をいかにデジタルデバイスを使って向上できるかということを軸に取り組みます。その中で『フレッシュピック』は既存の店舗や物流網を使っており、お客様には自宅に一番近いローソンで受け取れるという利便性が提供できると考えています」 【01】 【02】 【03】 【04】

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