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今、中堅・中小企業の製造業革命が面白い!

10月18日に「モノづくりマッチングJapan」でパネルディスカッション
今、中堅・中小企業の製造業革命が面白い!

浜野製作所公式サイトより

 「“プラスα”の提案型モノづくり」をテーマとする専門展示会「モノづくりマッチングJapan2018」(日刊工業新聞社主催)が、17日に東京ビッグサイト(東京・有明)で開幕する。18日には「モノづくり現場の”いま”~先進事例からみる課題解決の鍵~」と題したパネルディスカッションを開催、今、注目の中堅・中小企業3社が登壇する。月井精密、 浜野製作所、碌々産業は確固たるコア技術を持ち、IoT(モノのインターネット)や人工知能(AI)など大きな変革に経営トップの強いリーダーシップのもとで、製造現場で起こるさまざまな課題に対峙している点で共通する。

 デジタル革命は今まで主にバーチャルの世界で起きていたが、どんどんリアルの方向に向かっている。また、産業構造は労働集約型から知識集約型に移り、企業は雇用の規模ではなく、1人当たりの生産性を誇るようになる。中堅・中小企業も主役になれる時代が到来しようとしている。

 当日は3社の経営トップ自ら、具体的な取り組みを紹介し課題解決への鍵を探る。

【日時】 10月18日(木) 15:15~16:45
【会場】 東京ビッグサイト・東4ホール メインステージ(モノづくりマッチングJapan2018)
【パネリスト】月井精密株式会社 代表取締役社長 名取 磨一氏
       株式会社浜野製作所 代表取締役CEO 浜野 慶一氏
       碌々産業株式会社 代表取締役社長 海藤 満 氏
(モデレータ)三菱UFJリサーチ&コンサルティング政策研究事業本部経済政策部 主席研究員 吉本 陽子氏
※事前登録で展示会入場料(1,000円)が無料になります。
聴講申し込みはこちら


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月井精密


 月井精密(東京都八王子市)の関連企業、NVT(東京都立川市)は受注した業務の見積もり作成をクラウド上で完結できるサービス「ターミナルキュー」に乗り出す。社内リソースを管理し、数値に基づいた適正な見積価格を算出することが可能。属人化しがちな見積もり作成をシステム化し、業務を効率化できる。人手不足に悩む中小企業に拡販し、2018年6月末までに年間売上高4000万―5000万円を目指す。

 コンピューター数値制御(CNC)旋盤やマシニングセンター(MC)といった自社内の各作業工程別の単価を設定し、作業者の時間単価などから見積もりを算出する。納期や顧客特性といった個別の事情に合わせた価格を設定する場合、係数によってコントロールし、柔軟な価格設定ができる。

 社内だけで完結できない作業は事前に登録した外部の協力工場に見積もりを依頼し、クラウド上で最適な外注先を選べる。外部への見積もり依頼は価格を安定させるため、作業ごとに3社までに限定する。

 消費税抜きの月間使用料金は基本使用料1万円、1アカウント当たり6000円。オプションで初期設定作業費として4万円かかる。見積もりに必要な初期登録で、価格設定に不安な場合もあるため、中小企業診断士による支援体制も整える。経済産業省のIT導入補助金の対象製品で、同サービスを導入した中小企業は購入費の3分の2が補助の対象になる。NVTは15年設立、精密機械部品加工を手がける。

日刊工業新聞2017年7月7日



浜野製作所


 自分たちで考えて作業する、実務に近い経験をさせたい―。浜野製作所(東京都墨田区)は、インターンシップ(就業体験)の成果発表会を開いた(写真)。9人の学生が製造と設計・開発の2チームに分かれて参加。実際の現場体験と課題解決を同時進行で進めるマルチタスク形式で、10日間にわたり取り組んだ。

 ベンチャー企業のモノづくり支援拠点「ガレージスミダ」の運営もあり、同社従業員に求められるスキルは急速に向上している。インターンシップでは従業員をエンドユーザーとし、社内コミュニケーションの活性化に向けた支援や、現場に役立つ道具作りなどを学生たちが考えた。

 同社は2003年ごろからインターンシップを実施し、新卒社員は全てその参加者から採用している。今回の企画や進行は入社3年目までの若手社員に任せた。浜野社長は「言いたいことがあっても我慢し、自分たちで考えることを促した」と若手育成で心がけていることを話す。

日刊工業新聞2018年9月5日



碌々産業


 碌々産業(東京都港区)は、機械の前に立った人の体温で加工精度が変わるほどの高精度工作機械「微細加工機」の世界大手。削った物は表面が鏡のようになり、芸術品とも言うべき輝きを放つ。業界で工作機械のデザインにいち早く着目した海藤社長に聞いた。

 ―独創的な外観デザインは、何故ですか。
 「世界中の顧客を訪ねて気付いたのだが、微細加工機の操作者は音楽や絵が趣味だったり、ユニークな髪形だったりとこだわりの方ばかり。きっと美しさに共鳴する心を持ち、道具へも厳しい審美眼があるはず。それならば使い手の感性にまで踏み込んだデザインにしたいと考えた」

 ―デザインの思想というべきものは。
 「顧客の美意識に応え、感性を刺激し、加工するモチベーションを高める機械を目指している。感性に響く機能美の塊を『R―デザイン』と呼び、一貫したデザイン思想とした。Rは響く、共鳴するを意味する英語のリサウンドの頭文字だ」

 ―どの製品も目のような窓が特徴的です。
 「基本デザインは、当社の機械だと一目で認識できること。あの目は、加工室内の視認性を高めつつ、動物的な躍動感を醸し出す『アーモンドアイスリット&アイライン発光』で、BMWのフロントのようにアイコンにした。ほか、シャープな彫刻的面構成のフォームや、低重心・高剛性を重視した(土台部の)『キャストアイアン・ベースドデザイン』、シンメトリック構造も統一のデザインだ」

 ―ブランディングには従業員が理念を共有し、行動することが大切です。
 「微細加工機のリーディングカンパニーを目指すという思いを、全員が持つことが大事だ。デザインに共感してくれた方が当社に来た際、従業員の態度によってはイメージが崩れる。立ち振る舞いやモノづくりの姿勢から、リーディングカンパニーを目指しているのだと、思ってもらえるようにしたい」
(聞き手=六笠友和)
海藤満社長

日刊工業新聞2018年4月17日

明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
「モノづくりマッチングJapan」の同時開催として「総合洗浄展」、「先端材料技術展」、「ジャパンロボットウィーク」、国際ロボット競演会「ワールド・ロボット・サミット」もあり見どころはたくさんあるので、ぜひ足を運んで下さい。

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