スタートアップW杯が提案する、大手企業との新しいコラボのつくり方

米フェノックスベンチャーキャピタル アニス・ウッザマンCEO

ウッザマンCEO(左)とウォズニアック氏(2017年大会の様子)

 スタートアップ企業の世界ナンバー1を決める大会「スタートアップワールドカップ」が拡大している。出場企業が提携や資金調達などのチャンスを得られるからだ。3回目となる2019年大会は、前回より12地域増えて世界40地域で予選を行い、19年春に決勝大会を開く。主催者の米フェノックスベンチャーキャピタルのアニス・ウッザマン共同代表パートナー兼最高経営責任者(CEO)に展望を聞いた。  -スタートアップワールドカップは3年目に入りました。  「約80地域から問い合わせがあり、書類審査して40地域とした。中国は3カ所で国内予選に出場するための予選(ロードショー)を行い、代表1社を決めるため、毎回とても強い。日本では前回、遠方からの出場が少なかったため、今回は九州ロードショーを行った。より多くの企業にチャンスを広げたい」  -どんな企業が出場していますか。  「初期のアイデア段階ではなく、中盤以降のプロダクトなどができている段階の企業でなければ勝てない。第1回の17年大会は日本から出場したユニファ(名古屋市中区)が優勝した。18年大会は、自動衣類折り畳み機を開発するセブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ(東京都港区)が日本から出場した」  -大手企業とのコラボレーションを始めるそうですね。  「日本では、セガサミーホールディングス(HD)やサントリーHDなどが企業スポンサーとなった。この2社にはそれぞれ、5000万円の投資賞金や事業提携のチャンスを賞として用意してもらった。スポンサー企業は2万社以上と想定される出場企業の情報にアクセスでき、協業のチャンスが生まれる」  -なぜ短期間で拡大できたのですか。  「一つ目の理由は誰にでもわかる名前。二つ目は業界の人たちの支え。これまで米アップル共同創業者のスティーブ・ウォズニアック氏ら著名経営者がスピーチをした。自分の経験を生かしてほしいと、無報酬で協力してくれる。出場企業は彼らと話すことができ、資金獲得のチャンスもある。19年は前米大統領夫人のミシェル・オバマ氏ら世界で活躍する女性が登場する。当初、世界各地で開催できるか心配だったが、自国で開きたいという各国政府などがスポンサーとなってくれた」  -そうした人との出会いから得られることも多そうです。  「大手企業の経営企画担当者らも招待するため、提携や資金調達のチャンスは多い。前回大会で2位の韓国企業は、優勝企業の投資賞金よりも多くの資金調達に成功した。一般の人が見ても楽しめるため、多くの人に来てほしい」  -投資家や大手企業にも有望なスタートアップ企業を知るチャンスになります。  「当社は優勝企業に1億円の投資賞金を渡すが、他の人からも投資したいという声が上がったため、今回は新たにスタートアップワールドカップのファンドを作ることを決めた。3000万ドル規模のファンドで、スタートアップ5~10社に投資することを想定している。資産運用手数料は出場企業の航空機代などに充てたい」

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