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漫画の表現法を応用し、分身ロボットからの感覚を人にフィードバック

漫画の表現法を応用し、分身ロボットからの感覚を人にフィードバック

写真はイメージ

 将来、身体が不自由になっても遠隔操縦技術でロボットに乗り移れば、元気に働いたり、好きな観光地を巡ったりできるようになると期待されている。VR(仮想現実)とロボットの技術が進化したためだ。目や耳はロボットのセンサーと感覚を共有できるようになった。ただ触覚は課題が多い。ロボットとの通信遅延で反力が遅れると、硬いモノにぶつかっても柔らかく感じることさえある。

 そこで「ゴン!」とオノマトペ(擬音)を直接表示する研究が進む。名古屋大学の長谷川泰久教授は「漫画を読むと自分がその世界にいて体験しているかのように脳が補完する。この補完能力が強力」と説明する。利用者の経験を生かし触れた感じを擬音で想起させる。トヨタ自動車との共同研究で開発した。

 衝撃の大きさは「ゴン!」の文字の大きさで表現し、「コン」や「フワッ」など種類をそろえた。視界の外で接触しても吹き出しで誘導する。全身接触スーツを着なくてもどこが接触したか方向がわかる。「漫画は便利。多くの人が慣れ親しんでいて経験さえあれば補完できてしまう」。
                
日刊工業新聞2018年9月25日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
漫画で得られる没入感は表現法にもあるのですね。もちろん絵やキャラ、ストーリーがあってこそですが。

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