日本企業はSDGsビジネスで先頭に立てる!

有馬利男氏(元富士ゼロックス社長)インタビュー

「グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン」フェイスブックより

「SDGs(持続可能な開発目標)」が2015年9月25日の国連総会で採択されてから間もなく3年となる。日本企業にも認知されるようになり、国内最大のCSR推進組織「グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン」の有馬利男代表理事(元富士ゼロックス社長)は「ビジネスモデルに組み込んでいく段階」と語る。SDGsビジネスの課題と期待を聞いた。 ―国内でSDGsが盛り上がっています。  「私たちは次の経営を担う人材を対象に課題解決の勉強会を開いている。募集は毎年15―20人だが、SDGsが認知されて18年は32人に増えた。経営企画・戦略部からの参加が多い。企業はSDGsを本業や事業計画に入れようとしている」 ―広がった理由は。  「政府がSDGs推進本部を設置したり、SDGs未来都市を選定したり動きが具体化し、企業も受け入れやすくなった。SDGsがビジネスチャンスと認識されたことも大きい。国内市場が縮小しており、SDGsを参考に社会課題から新しい市場を見つけようとしている」 ―課題は。  「本当の意味でビジネスモデルに組み込んでいくこと。QCD(品質・コスト・納期)に課題解決を追加した製品・サービスができたとして、プラス分の価値を市場が納得してくれるのか。今はもうからなくても、将来の企業価値につながると訴求できるストーリーを作れるかどうかだ」  「途上国での課題解決ビジネスも課題だ。大きなチャンスはあるが、リスクもある。パートナーやアプローチを変える必要がある」 ―販売代理店を選ぶのが途上国への代表的なアプローチです。  「アウトサイドインのアプローチが求められる。内(製品)ではなく、外(社会課題)から発想を広げると、新たなビジネス戦略が生まれる」 ―日本企業への期待は。  「資源や人口減少の制約、少子高齢化などの課題を抱えた国内でも成長できれば地球規模で通用できる。日本企業はSDGsビジネスで先頭に立てる」 【記者の目/ビジネスが変わり始めた】  7月、LIXILと国連児童基金(ユニセフ)は途上国の衛生環境を改善するために協力関係を結んだ。ユニセフがトイレの必要性を啓発し、LIXILが製品を提供する。同社は課題を解決しながらトイレ市場を開拓できる。国連機関との協業は有馬代表が語る「社会課題からのアプローチ」の好例であり、日本企業のビジネスも変わり始めた。 (文=編集委員・松木喬)

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