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メルカリやゲオ、iPhone買い換え需要を狙う

旧型の買い取りを強化
メルカリやゲオ、iPhone買い換え需要を狙う

iPhoneの買い取り価格を最大1万円上乗せする(ゲオモバイル)

 メルカリとゲオホールディングス(HD)が中古スマートフォンの買い取り価格を上乗せするキャンペーンやデータ削除サービスを相次ぎ始めた。米アップルが「iPhone(アイフォーン)」の新機種として3モデルの投入を発表し、国内ではNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの携帯電話3社が21日から順次発売する。メルカリとゲオHDは買い替え需要を狙い、サービスを拡充する。

 メルカリは中古スマホを安心して売買できるサービス「あんしんスマホサポート」を始めた。スマホ向けフリーマケットアプリケーション(応用ソフト)「メルカリ」に出品した中古スマホのデータ削除や初期化などを代行する。消費税込みの料金は1台1880円で、配送料は別途必要となる。

 新サービスは、スマホのデータ削除のノウハウを持つヤマトロジスティクス(東京都中央区)と連携した。同社が動作確認やデータ削除、郵送を担う。ユーザーは中古スマホに残った個人情報の流出や販売後に購入者が使用できないといったトラブルを回避できる。

 メルカリによると、ユーザーが「メルカリ」でスマホを出品しない最大の理由に「個人情報への不安」があるという。こういった不安を払拭(ふっしょく)し、中古スマホの安心な取引を実現するサービスとして、新たな需要を取り込む。

 ゲオHDもアイフォーンの買い取り価格を通常時の金額に最大1万円上乗せするキャンペーンを展開する。アイフォーン旧型モデルなどの買い取り価格を通常より2000―1万円上乗せし、新モデル発売に伴う買い替え需要を取り込む。DVDなどのレンタル店「ゲオショップ」や中古スマホなどの販売店「ゲオモバイル」の全国1063店舗で12月末まで実施する。

 中古スマホをめぐっては、総務省が国内流通を活性化させる方針を掲げている。各社の買い替え需要を狙ったサービスは、政府の施策を後押しする取り組みとしても注目されそうだ。
日刊工業新聞2018年9月17日
葭本隆太
葭本隆太 Yoshimoto Ryuta デジタルメディア局DX編集部 ニュースイッチ編集長
今回の新型iPhoneではどれくらいの買い換えが発生するでしょうか。一方、記事中の2社の施策は携帯大手の下取り施策が結果を左右しそうです。

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