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住友ゴムがブラジルでタイヤ生産する理由

自動車用タイヤの市場規模が拡大
住友ゴムがブラジルでタイヤ生産する理由

トラック・バス用タイヤの生産を19年3月に始めるブラジル工場

 住友ゴム工業は、ブラジルでのタイヤの生産・販売の動きを活発化させている。トラック・バス用タイヤの生産を始めるほか、乗用車やライトトラック用タイヤの増産なども図っていく。ブラジルでの各タイヤの需要増を見据え、事業体制を整備する。

 ブラジルでは、“新市場への挑戦”をテーマに、グローバルでの最適な生産体制を確立していく中で、2013年に乗用車・ライトトラック用タイヤの生産を始めた。ブラジルは自動車用タイヤの市場規模が拡大しており、市販用のタイヤ需要も増加が予想される。

 スミトモラバードブラジルの脇谷宜典社長は「20年には約4000万本が見込まれる」とする。ブラジルのトラック・バス用タイヤの市場規模も「年4%程度の成長」(脇谷社長)とし、安定的な需要が見込めるという。

 トラック・バス用の生産は19年3月に開始予定で、生産能力は日産500本を見込む。投資額は約100億円。現地生産による安定供給とともに、為替変動リスクの回避を図る。乗用車・ライトトラック用タイヤと合わせて、ブラジル市場におけるタイヤ販売事業も強化していく。

 乗用車・ライトトラック用タイヤの生産能力は、15年末の日産1万5000本から、19年末に日産1万8000本に引き上げる。車両の大型化とタイヤの高インチ化も徐々に進んでおり、高インチタイヤを中心に拡販を図る。

 また、ブラジル国内でのダンロップ系列店を拡充する。
(文=山岸渉)
日刊工業新聞2018年9月13日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
18年末までに前年比32店舗増の計214店舗へ拡大する計画で、ブランド認知向上につなげる考えだ。 (日刊工業新聞社・山岸渉)

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