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武田薬品が創薬VB誘致を10倍の200社へ

海外も取り込む
武田薬品が創薬VB誘致を10倍の200社へ

多様な研究者の協働を促す(湘南アイパーク)

 武田薬品工業は、産学官連携の創薬拠点と位置付ける湘南ヘルスイノベーションパーク(湘南アイパーク、神奈川県藤沢市)への入居社数を4―5年後に約10倍(9月初旬時点比)の200社にする目標を設定した。そのうち1―2割を海外から招きたい考え。米国やアジアの生命科学関連団体と連携するなどし、日本に関心があるベンチャー企業の誘致につなげる。一連の施策で創薬シーズを臨床開発へ橋渡しする枠組みを一層効率化する。

 海外企業の誘致にあたっては、米サンディエゴ市に拠点を置くバイオ関連業界団体であるバイオコムとの協力関係を活用。日本での臨床開発に関心を持つ米国のベンチャーなどの発掘を目指す。

 また、台湾の創薬拠点のナショナル・バイオテクノロジー・リサーチ・パーク(台北市)と早ければ2018年度中に提携する見通し。人材交流やイベントの共催を通じ、アジアのベンチャーの相互紹介につなげるといった流れを想定する。

 武田薬品は20年までに18年9月初旬時点比約2・5倍となる3000人規模の研究者を湘南アイパークに集める目標を掲げてきた。ただベンチャーは1社当たりの従業員数が少なく、「現実的には(今後)4―5年かかる」(湘南アイパーク幹部)とみている。

 湘南アイパークには武田薬品以外に横河電機やアンジェスといった約20の企業が入居。もとは武田薬品の湘南研究所だったが、社外との協働を促す観点から18年4月に湘南アイパークとして刷新した。
日刊工業新聞2018年9月14日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
医薬品産業では医療ニーズの変化や創薬手法の多様化に伴って新薬創製の難易度が高まり、大手製薬でも単独で研究開発を進めることは困難とされる。

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