航空会社とフィギュアスケート選手の幸福な関係

人気選手の発信力をイベントやCMで活用

 日本航空(JAL)は、フィギュアスケートの本田真凜選手と所属契約を締結し、スケート部を設立した。従来のスポンサー契約から所属契約に変更することで、支援を拡充する。航空会社によるフィギュアスケート選手への支援では、全日本空輸(ANA)が2013年から羽生結弦選手と所属契約を結び、渡航などを支援している。フィギュアスケート選手は海外への渡航が多く、有力選手も多い人気種目。今後も航空会社と有力選手の契約が増えそうだ。  JALは本田選手がジュニアカテゴリーの選手だった、2016年11月からスポンサー契約を締結。海外への渡航などをサポートしてきた。昨年、本田選手がシニアに上がったことに加え、今年から、米国・ロサンゼルスに拠点を移すことで、ますます国内外の渡航が増えることから、トップスポンサーの所属契約に変更。本格的な支援にシフトする。  ANAが羽生選手と所属契約を結んだのは2013年7月。羽生選手は前年の12年に練習拠点をカナダに移しており、主に、試合や練習の際の渡航をサポートしてきた。  ANAは「世界のリーディングエアラインを目指す」というコンセプトの下、世界のトップを狙える羽生選手と所属契約を締結。羽生選手はANAとの所属契約締結後に、ソチオリンピックで金メダルを獲得しており、羽生選手の実力にいち早く注目していたことになる。  ANAは、羽生選手が平昌オリンピックで金メダルを獲得し、オリンピック連覇を達成した2月、東京・汐留の本社で金メダル祝勝会を開催した。祝勝会には有志の社員100人が参加し、羽生選手のメダル獲得を祝福。羽生選手は「FLY YUZU」と書かれたタオルを掲げて歓迎する社員を前に、「ただいま」と語りかけるなど、終始、アットホームな雰囲気だった。  ANAの平子裕志社長は羽生選手に対し、「羽生さんの素晴らしいところは、自分の右足、リンクの氷、周りの皆さんに感謝する心。このような選手をサポートできて本当に光栄」と述べた。  また、羽生選手も「飛行機は普通に離陸して普通に着陸して、そういった当たり前の成功のなかに、たくさん方々が働いて、サポートしている。そういう会社の人間の一人として、こうやって成功を持ってこられたのは、本当に喜ばしいこと。こういう会社にサポートしていただいて幸せ」と話した。  所属契約は羽生選手にとってもANAにとっても、競技や仕事へのモチベーションとなるなど、相乗効果となっているようだ。ANAは羽生選手以外に、卓球の福原愛選手、水泳の瀬戸大也選手と所属契約を結んでいる。福原選手はCMなどにも出演しており、企業イメージの向上に協力している。  JALはフィギュアスケートでは、プロスケーターの浅田真央さんとスポンサー契約を結び、活動を支援している。2013年12月、ソチオリンピックを前に、浅田真央選手の特別塗装機を就航しており、この後、スポンサー契約を結んだ。現在は競技を引退し、プロスケーターに転向しているが、「フィギュアスケート界で偉大な実績を残された浅田さんは今でも親しまれており、イベント出演を通じた発信力は大きい」(JAL広報部)とし、引退後の新しい挑戦も支援していくとして、スポンサー契約は継続している。  浅田さんは、17年にJALが主催するホノルルマラソンに参加し、完走。また、2月には、愛犬と機内で過ごせるチャーター便で旅する「ワンワンジェット」に、愛犬のエアロを伴って参加者を見送るなど、イベントを盛り上げた。JALと一緒に新たな挑戦もしながら、取り組みに協力している。

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