「HAL」や「モード学園」の日本教育財団、大学新制度で台風の目に

ICTやデジタルコンテンツ、ファッション、医療・福祉で5大学を新設へ

日本教育財団ホームページより

 2019年度に始まる専門職大学の制度で、学校法人・日本教育財団(東京都新宿区)が台風の目となっている。ICT(情報通信技術)・デジタルコンテンツ、ファッション、医療・福祉で5大学を新設する計画だ。実習に専門学校の産学連携を生かす一方、学長に吉川弘之元東京大学総長ら重鎮を予定する。設置認可の審査ではどのような点が焦点となるか。同法人のモデルに関心が集まりそうだ。  日本教育財団は「HAL」や「モード学園」などで知られる。専門学校では最大規模の学校法人だ。東京、大阪、名古屋を拠点に学生約1万5000人を抱える。一挙に5大学を予定する中、「国際工科専門職大学」は3都市3学部がほぼ同一カリキュラムだ。人工知能(AI)やデジタルコンテンツ、カーデザインなどで1学年約500人としている。  真理の探究を掲げる通常の大学に対し、重視するのは社会に役立つ創造性豊かな人材育成だ。専門職大学には「単位の3分の1を実習で」という要件がある。これには専門学校で各地域の企業や自治体と組み、動画やアプリを開発してきた同法人の経験が生かせる。  工学系は技術の進歩が早く、システム会社社員がAIを学ぶニーズなどがある。「専門職大学の意義の一つとして、留学生やリカレント(学び直し)教育で社会人に広く門戸を開く」(川端晋一同大東京工科学部統轄責任者)と強調する。  ファッションは1大学、3都市で実施。医療は地元学生ニーズが強いことから、従来の3都市3専門学校に3大学を加える。こうした構成を含め専門職大学の認可の議論は、文部科学省の大学設置・学校法人審議会でも初めてのこと。秋の認可発表に、初年度組の学校法人など関係者の関心が集まっている。 Q これは大学の一種なのか。 A 専門職大学、専門職短期大学は2017年度の学校教育法改正によって可能になった新タイプの大学だ。学問重視の従来の大学と、技能重視の専門学校の中間的な存在だ。小規模の専門教育ゆえ、校地や校舎の面積規制などは通常の大学より緩いと見られる。 Q 教育の特徴は。 A 卒業に必要な単位の3分の1が実習科目で、うち半分以上を企業などの現場で行う。産学連携教育は通常の大学も手がけているが、科目としてはごく一部だ。また専任教員は4割以上が「5年以上の実務経験と高度な実務能力」を、そのうち半分以上は「研究能力」を持つとされ、分野によっては教員確保が悩ましい。 Q どんな設置者や分野になっているか。 A 第1弾の案件でみると、専門職大学の設置者は、専門学校を運営する学校法人が大半だ。分野は医療・介護・福祉系が大勢を占める。これまでも医療現場での実習を多く手がけてきたのが、進出しやすい理由の一つだ。今後は農業や旅行などの分野に広がりが期待されている。

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