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世界で「工場自動化」需要、サーボモーターは増産ラッシュ

パナソニックや安川電機、海外で体制づくり
世界で「工場自動化」需要、サーボモーターは増産ラッシュ

産業用ロボットなどにも使われるサーボモーター

 日本のサーボモーターメーカーが相次ぎ生産を拡大している。パナソニックは中国で工場を拡張。安川電機はスロベニアで工場新設に乗り出し、中国で工場を増設する。人手不足などを背景に世界で工場の自動化(FA)需要が拡大し、製造装置やロボットなどの導入が広がる。精密な位置決めに使われる同モーターはこれらの装置に欠かせず、各社は供給体制の整備を急ぐ。

 パナソニックは広東省珠海市にある建屋面積約2万7000平方メートルの既存工場を、サーボモーターの第2工場として活用し、生産ラインを増設。同市内にある第1工場との間で、サーボモーターとサーボアンプを効率的に生産する体制を構築した。3月までに同モーターの生産能力を従来比約4割増の月25万台に引き上げ、同30万台まで高められる増強余地も確保した。

 併せて納期対応力も向上。中国では依頼を受けたその日に販売代理店に納める即納対応製品の比率を従来の3分の1から2分の1に引き上げる。パナソニックの2017年度のサーボモーターの販売台数は前年比35%増と4年連続で過去最高を更新した。

 安川電機はスロベニアで今秋稼働する産業用ロボットの工場近くに、サーボモーターなどの部品を生産するため、同国政府の支援も得ながら新工場の候補地選定を進める。

 モーターは外販も予定し、能力など詳細は今後詰める。中国では7月中に遼寧省の拠点で第3工場を稼働し、18年度末までに同モーターの月産能力を17万台に拡大する。

 三菱電機は日本と中国でサーボシステムの合計生産能力を16年度比7割増の月48万台に引き上げた。
パナソニックのACサーボモーターとアンプ

                   
日刊工業新聞2018年7月17日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
パナソニックによると、今後サーボモーターの世界市場は年平均4・5%で成長し、2021年に7700億円規模に拡大すると予測しています。

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