ニュースイッチ

世界最大かつ最長となる“自律走行ロボット”

英豪リオ・ティント、無人貨物列車で鉄鉱石輸送を成功
 “世界最大のロボット”実用化に王手―。

 英豪資源大手のリオ・ティントが豪州の西オーストラリア州ピルバラ地区で、無人貨物列車による鉄鉱石の初輸送に成功した。機関車3台からなる自律運行列車(写真)に約2万8000トンの鉄鉱石を積み、鉱山から港までの約280キロメートルを無事に完走したという。日立製作所グループの列車制御技術を採り入れた成果で、世界最大かつ最長となる自律走行ロボットの開発が、目標の年内実用化に向けて最終段階に入る。

 鉄鉱石輸送列車の自律運行化に向け、9億4000万ドル(約1060億円)を投じて進めているシステム開発の一環として、同州のトムプライス鉄鉱山からケープランバート港までの無人運行に成功した。運行状況は1500キロメートル以上離れた州都パースにある管制室で遠隔監視した。

 日立製作所傘下のイタリアの鉄道システム会社、アンサルドSTSが列車制御技術を提供した。システムが完成すれば、長距離の重輸送で世界初となる自律運行式の鉄道網ができ、鉄鉱石輸送業務の安全性や生産性が大幅に高まるという。リオ・ティントから鉄鉱石を仕入れる鉄鋼メーカーなどの間でも、調達コスト低減への期待が高まりそうだ。
日刊工業新聞2018年7月18日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
自律運行式の鉄道網ができれば、多様な分野に応用できそうだ。

編集部のおすすめ