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22年ぶりの“トヨタタクシー”を支える燃料ポンプ

愛三工業、巻き線を工夫し高出力で耐摩耗に
22年ぶりの“トヨタタクシー”を支える燃料ポンプ

「ジャパンタクシー」公式サイトより

 愛三工業は液化石油ガス(LPG)ハイブリッドシステム向けの燃料ポンプユニットなどを開発し、トヨタ自動車の「ジャパンタクシー」に採用された。新開発のブラシレスDC(直流)モーター式燃料ポンプや制御ユニットを搭載。従来比約20%の省電力化や、寿命を同45%延ばすことにつなげた。

 モーターのコア部分に、腐食に強いフェライト焼結磁石を採用した。独自の巻き線技術により、高出力かつ腐食や摩耗に強い製品を作り上げた。消費電力は17・3ワットと他社の従来品比で約18%低い。

 ジャパンタクシーは昨年、22年ぶりのタクシー向け新型車として投入された。車高を175センチと高くした一方、床は低く抑え、大柄な外国人や高齢者、子供が乗り降りしやすいようにした。人が座ったまま車いすを載せることも可能だ。

 愛三工業は燃料ポンプなどが主力だが、車両の電動化を見据えてモーターや電池周辺の製品などの開発を進めている。野村得之社長は「車の電動化のコアは電池」と話し、電池制御の技術開発を強化する考えだ。
燃料ポンプユニット

日刊工業新聞2018年7月10日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
一方、電動化の主役は当面、エンジンを搭載するハイブリッド車(HV)が中心となる。電動車向けの燃料系統の技術も磨き、電動化時代を生き抜く方針だ。

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