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10年前のパスポート写真でも人物判別、顔認証ゲートが5空港へ

パナソニックが受注
10年前のパスポート写真でも人物判別、顔認証ゲートが5空港へ

斜め向きの顔やめがねをかけた10年前の画像でも認証できる

 パナソニックは羽田や成田、関西など5空港から、入出国審査に顔認識技術を使う機器システム「顔認証ゲート」を受注した。法務省が2018年内に5空港へ導入する134台全量で、受注額は15億8209万円。17年秋に羽田空港へ先行導入した3台に続く受注となる。パナソニックは今後も導入が広がる空港向けの受注を重ねつつ、こうした実績をイベント会場などをはじめとした新たな用途開拓に生かす。

 パナソニックが開発した顔認証ゲートは、パスポートのICチップに記録された画像と、ゲートのカメラにより撮影した本人の画像を照合する。パスポートの最大有効期間である10年間、顔つきが変化しても認識できる。システムへ画像などの情報を、事前に登録する必要はない。審査は最短10秒で済む。

 同システムは羽田、成田、関西、中部、福岡の5空港に納入する。8月までに帰国審査用に計61台、11月までに出国審査用に計73台を納める。

 法務省は今後も、顔認証ゲートを採用する空港を増やすほか、19年度にも訪日外国人への出国手続きへ適用を目指している。顔認証ゲートはNECや東芝などの競合企業が、少なくとも4社程度あるとみられる。パナソニックは引き続き受注を増やす一方、イベント会場やオフィスビルの入退場管理にも顔認証の技術を生かして提案する考えだ。
日刊工業新聞2018年7月6日
梶原洵子
梶原洵子 Kajiwara Junko 編集局第二産業部 記者
コンサート会場の本人確認など、いろいろな場所で使われるかもしれません。

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