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内側の刈り取りはおまかせ

賢い農機、増えてます!
内側の刈り取りはおまかせ

クボタの自動運転アシスト機能付き農機「アグリロボコンバイン」。最適な走行ルートのマップを自動作成する

 農家の人手不足や高齢化を助けようと、賢い農機が増えている。

クボタ、最適収穫アシスト


 クボタは自動運転アシスト機能付き農機「アグリロボコンバイン」を開発し、千葉県柏市内の農地で関係者らに実演した。稲や麦の収穫作業の一部を自動化・精密化し、作業者の負担軽減と効率向上が図れる。12月に発売し、価格は1570万円(消費税抜き)から。2019年度に20台の販売を目指す。

 同社の全地球測位システム(GPS)機能搭載農機としては第4弾となる。収穫範囲の外周を手動運転で刈り取ることで、最適な走行ルートのマップを自動作成する。その後、自動運転機能を起動することで、残りの範囲の収穫作業を自動化できる。

 収穫物のタンクが満タンになることを予測して、最適なタイミングで排出場所まで移動する機能もある。走行ルートの最適化などにより、5反(約5000平方メートル)の広さの農地であれば、約1割の作業時間短縮に結びつくという。

 今回は有人式農機の運転アシスト技術だが、同社では無人式の開発も進めており、22年度をめどに製品化を目指すという。

井関、複数野菜植え対応


 井関農機は複数種類の野菜に対応した歩行型全自動移植機「ナウエルエース」のキャベツ・タマネギ兼用機を10月に発売する。1台で植え付け間隔の異なる野菜苗に対応できるため、費用対効果が高い。価格は143万6400円(消費税込み)。年間30台の販売を見込む。

 苗を植え付ける時に、キャベツは約36センチメートル、タマネギは約15センチメートル間隔で植え方が異なる。苗が入ったトレーはキャベツだと128穴、タマネギは200穴が多いという。二つのトレーの切り替えをレバーのワンタッチ操作でできるようにした。植え付け間隔は苗の状況や種類により、1センチメートル刻みで調整できる。

 大規模農家では、複数種類の野菜を作り、増収を図る動きが強まっている。キャベツとタマネギの兼用機は愛知県の農家の要望をもとに開発した。野菜の組み合わせパターンは地域により違うため、今後は各地に応じた兼用機も開発していく考えだ。
(2018年6月18日 機械面)
梶原洵子
梶原洵子 Kajiwara Junko 編集局第二産業部 記者
畑の状態を見分けることのできる、人工知能(AI)やディープラーニングを使ったカメラができれば、無人運転に近づいていきそうです。

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