米ゼロックス問題、富士フイルムが放ったけん制球

富士ゼロックス構造改革へグループ統一感強まる

山積する問題に対し、グループの統一感を高めて対峙するようだ。

**富士フイルム副社長が就任  富士ゼロックスは14日、役員人事を発表した。栗原博社長(64)が特別顧問に退き、玉井光一副社長(65)が社長に昇格。続投する古森重隆会長(78)との2トップ体制を組む。富士フイルムとの統合で揺れる米ゼロックスのジョン・ビセンティンCEO(最高経営責任者)も取締役に就任する。  20日開催の定時株主総会で正式に就任する。新体制では取締役12人中、富士ゼロックス出身者はわずか2人となり、富士フイルム色がいっそう鮮明になる。 米ゼロックスからは取締役3人が就任。ビセンティン氏は富士フイルムによる買収に反対する大株主アイカーン氏の推薦でゼロックスCEOに就任していた。 日刊工業新聞2018年6月15日  古森重隆富士フイルムホールディングス会長(富士ゼロックス会長)が半月ほど前に直接、玉井副社長へ社長就任を伝えた。人事の狙いは富士ゼロックスの構造改革の加速。古森会長の信頼の厚い玉井副社長の就任で、一層意思決定は早くなりそうだ。玉井副社長は富士ゼロックス副社長就任から1年での社長昇格となる。今回の人事は予想された範囲のことだが、グループ内で独自色の強かった富士ゼロックス社内にとって衝撃は小さくない。  一方、富士ゼロックス広報によると、今回の人事決定と米ゼロックスとの統合問題との関係はなく、米ゼロックスとは粛々と従来通りの生産などでの協力を継続していくという。ただ、富士ゼロックスの取締役会でアイカーン氏に近いビセンティン氏と、古森会長らが定期的に顔を合わせるようになる。両者の距離は近づくのか、対立が深まるのか。  富士ゼロックスは、大型プリンターを生産する富士ゼロックスマニュファクチュアリングの新潟事業所(新潟県柏崎市)を2019年3月末で閉鎖する。親会社の富士フイルムホールディングスが1月に国内外で1万人を削減するなどの構造改革を実施すると発表しており、方針通り検討が進んだ。当時の前提となった米ゼロックスとの統合は停滞しているが、複合機の市場環境は大きく変化しており、改革は待ったなしだ。  富士フイルムホールディングスの古森重隆会長は7日、日刊工業新聞社などのインタビューに応じ、停滞している米ゼロックスの買収について「(買収案が)今考えられる唯一無二の案で、これを推し進めていく」と強調した。その上で仮に半年間、白紙状態が続いた場合は「買収をやめることもありうる」と買収撤回も選択肢の一つであることを明かした。  ゼロックスは新たな経営体制に移行後、富士フイルムとの統合を一方的に破棄、買収プロセスは事実上凍結している。古森会長は成熟化する事務機器市場の中で「両社が一緒になってサバイバルゲームを勝ち抜く道しかない」としつつも、選択肢の一つとして買収撤回があり得ることも初めて明かした。  アイカーン氏ら一部のゼロックス株主が1株40ドル以上と提示した交渉条件については「高すぎる。資金がないわけではないが、当社にも株主がいる」と批判した。一方でゼロックスの取締役会から、統合案などについて正式な要望が届いた場合は「当社や当社の株主にメリットがあると判断すれば、検討はする」と門戸を開く考えも示した。現状はゼロックス側からは正式な申し出は届いていないという。 日刊工業新聞2018年6月8日

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