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日本ハムが20年かけて培ったアレルギー対応食の力

子どものほか、高齢者にも人気に
日本ハムが20年かけて培ったアレルギー対応食の力

日本ハム設立の「ニッポンハム食の未来財団」が開催している食物アレルギーセミナー

 日本ハムは、食物アレルギー対応食の生産と販売に力を入れている。食物アレルギーは、食べ物に対して過敏に自己免疫が反応し、かゆみやじんましん、呼吸困難などの症状が起きるもの。食物アレルギーの原因として症例が多いのは、卵や乳製品、小麦など特定原材料7品目だ。田中恵津子コミュニケーション戦略本部CSR推進部部長は、食物アレルギーに対する取り組みについて「おいしく一緒に食べられる機会をつくり、持続可能な社会をつくる狙いがある」と話す。

 1996年に食物アレルギー対応食の研究に乗り出し、食物アレルギーに対応した肉製品「アピライトシリーズ」を97年に開発した。また02年に、消費者の声を参考にしながら、食物アレルゲン検査キット「FASTKITエライザシリーズ」を発売した。現在は2種類を販売しており、食物アレルゲン検査キットで国内シェア1位となっている。

 食物アレルギー対応食の生産拡大に乗り出したのは07年から。東北日本ハム(山形県酒田市)内に、食物アレルギー対応の専用工場を設立した。異物混入に、徹底的に対策を打つのが特徴。検査キットを使用して、アレルゲンの有無を判定しながら生産するほか、生産に携わる従業員に食後の歯磨きを義務付けている。

 食物アレルギー対応食のターゲット層は子どもが中心だが、顧客層を広げる狙いで09年に、ハンバーグやパンなどの加工食品を加えた「みんなの食卓シリーズ」を発売。“柔らかくておいしい”と高齢者にも人気が出てきたという。
日刊工業新聞2018年6月8日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
15年には食物アレルギーの研究と啓発活動を行う「ニッポンハム食の未来財団」を茨城県つくば市に設立した。アレルギー関連製品の売り上げの一部を同財団に寄付。セミナーなどを開催するほか、食物アレルギーの研究者やグループに対して助成活動を行っている。 (大阪・石宮由紀子)

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