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ヤナセが「BMW」取扱店を一部売却へ。双日などと交渉

販売低迷の大阪3店舗が候補に。条件次第で中止も
ヤナセが「BMW」取扱店を一部売却へ。双日などと交渉

ヤナセBMWブログより

ヤナセは、ドイツ車「BMW」を取り扱う大阪府の3店舗を売却する方針を固めた。双日など商社のほか複数企業と交渉に入っており、今夏にも売却先を決めたい考え。販売低迷で厳しい運営が続く大阪府3店舗を売却し、BMW事業の収益改善につなげる狙い。ただ交渉相手と金額などの条件で折り合えなければ、売却を止める選択肢も残す。

 ヤナセが売却方針を決めた店舗は、完全子会社のヤナセバイエルンモーターズ(東京都港区)が運営する大阪府の枚方支店(枚方市)、豊中支店(豊中市)、八尾支店(八尾市)の3店舗で、各店舗を別々の企業に売る方向。さらにBMW中古車を取り扱う同府内の店舗も対象になる可能性がある。

 店舗スタッフはヤナセグループ内で異動または売却先企業に転籍するか二つの選択肢を用意して選べるようにする。

 大阪府のBMW販売店をめぐっては2017年に独BMWの日本法人であるビー・エム・ダブリュー(東京都千代田区)が店舗運営会社を双日に売却した。ヤナセ店舗の売却先候補にも双日が入っている模様だ。

 ヤナセは03年にBMWの販売を始めた。後発ということもあり大阪府の3店舗は「ベストな立地ではない」(ヤナセ関係者)というハンディもあり苦戦してきた。

 BMW全体の日本での17年度販売台数は5万1299台。ヤナセのBMW販売は年4000台程度で推移している。
日刊工業新聞2018年5月31日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
ヤナセは6月に伊藤忠商事出身の吉田多孝氏が社長に新任する。現在の井出健義社長は、11年の就任から収益性改善に取り組み成果を出した。トップとして最後にBMW事業の課題である大阪府3店舗の売却に道筋を付け、バトンを吉田氏に渡すことになる。

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