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関越道と圏央道が交わるジャンクション軸にIoT用の基地局整備、埼玉県の狙いは?

今年度、3000万円投入
関越道と圏央道が交わるジャンクション軸にIoT用の基地局整備、埼玉県の狙いは?

写真はイメージ

 埼玉県は、鶴ケ島ジャンクション(埼玉県鶴ケ島市)を軸とする半径10キロメートル圏内での広域・省電力無線規格「LPWA」の通信網整備について、京セラコミュニケーションシステム(KCCS、京都市伏見区)に委託することを決めた。2018年度に基地局整備などに約3000万円を投じる。橋梁などインフラの管理・監視、子どもやお年寄りの見守りサービスなどへの利活用につなげる。「超スマート社会」の実現を目指す。

 埼玉県は鶴ケ島市など13市町とともに、地域未来投資促進法に基づく「鶴ケ島ジャンクション周辺地域基本計画」を策定。その一つに、LPWAを活用したIoT(モノのインターネット)ネットワークの整備などを挙げている。

 公募型企画提案競技で3社の中から選ばれたKCCSは、京セラとKDDIの共同出資会社。LPWAの一つ、「シグフォックス」の全国への通信網拡大を進めており、埼玉県の当該圏内でも10基地局を整備済みだ。今回の受託で18年度中に18基地局まで増やす計画。

 シグフォックスは通信速度が上り毎秒100ビット、下り同600ビット。屋外に設置したセンサーからの情報など、少ない通信量のデータのやりとりに向いており、「スマート農業」への活用を推す声も少なくない。

 整備地域の核である鶴ケ島ジャンクションは関越自動車道と首都圏中央連絡自動車道(圏央道)が交わり、利便性が高い。先端企業の誘致が見込まれている。
日刊工業新聞2018年6月1日
八子知礼
八子知礼 Yako Tomonori INDUSTRIAL-X 代表
自治体によるSigfoxの大規模な整備事例が出た。物流拠点として多くの企業が拠点を持つ他、周辺は農業地としてものどかな環境が広がっている。まさにSigfoxにうってつけのエリアと言えるだろう。どのようなサービスやアプリケーションがその上で実装されるかに大いに期待したい。

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