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眼鏡レンズの染色技術を生かしてスマホケースを製作

ニデックがBツーC事業を開拓
眼鏡レンズの染色技術を生かしてスマホケースを製作

ニデックが製造するスマホケースの一例

 眼科医療・眼鏡関連機器製造大手のニデック(愛知県蒲郡市、小沢素生(もとき)社長、0533・67・6611)が、眼鏡レンズの染色技術を生かして、スマートフォン(スマホ)ケースの製作などBツーC(対消費者)事業に乗り出している。研究開発に携わったコート事業部研究開発部副主席技師の犬塚稔氏に聞いた。

 ―応用の基となった染色技術とは。

 「真空状態におくと昇華する染料を、専用の紙にインクジェットでプリントし、真空蒸着機の中で染料を紙からレンズに転写させることで染色する技術だ。レンズを染色液に浸す方法と異なり、複数色での染色が可能になったほか、熟練の技術が求められる染色後の色の微調整もいらない」

 ―スマホケースをつくった理由は。

 「確立した染色技術を、レンズ以外のプラスチック製品で応用したいと思ったのがきっかけ。最初の製品を発売したのは2011年。『iPhone(アイフォーン)』ブームで、スマホ使用者が爆発的に増加したことにも後押しされた。スマホケースの着色方法は従来、塗装などが主流だった。当社の染色技術は、素材に直接色を染みこませることで傷による色の剥がれを防ぎ、ケースを長持ちさせることができる」

 ―今後の展開は。

「スマホの進歩に合わせてケースの種類を増やし、ヒット商品を生み出すことだ。また、スマホケース以外にも、家電メーカーから装飾用などで当社の染色技術を使いたいという声ももらっている。この技術には、応用の余地がまだあると考えている」
(聞き手・竹中初音)
日刊工業新聞2018年5月25日
葭本隆太
葭本隆太 Yoshimoto Ryuta デジタルメディア局DX編集部 ニュースイッチ編集長
ニデックのホームページを見ると、グラデーションの入ったものなど、色々なカラーのケースが確認できます。価実物も見てみたい。

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