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賃貸住宅の生活騒音トラブルよさらば!?大和ハウス、遮音床の秘密

上下階の居室から聞こえる音が従来比3分の1に
 大和ハウス工業は、賃貸住宅の高遮音床構造で、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(品確法)の重量床衝撃音対策における国土交通相による特別評価方法認定の最高ランク「等級5」(LH―50以上)を取得した。住宅メーカーで初めて。認定取得を機に賃貸住宅事業の拡大につなげ、5年後に賃貸住宅受注の約5割で、同認定を受けた高遮音床構造の採用を目指す。

 等級5認定は日本工業規格(JIS)に基づく実測性能表記「LH―50」に比べ、さらに厳しい判定基準。今回は、建材試験センターの特別評価方法による試験を実施した。エム・テック(さいたま市浦和区)と共同開発した、高遮音床構造「サイレントハイブリッドスラブ50」などで評価を受けた。

 賃貸住宅の生活音は居住者のマナートラブル調査で上位にあり、住宅各社は自社商品の遮音性能を高めている。ただ各社独自の評価に委ねられ、賃貸住宅オーナーは完成後の遮音性に不満を持つことも少なくない。大和ハウスは賃貸住宅の価値を高めるため、より客観的な特別評価認定を取得した。

 スラブ50は、子どもの飛び跳ね音などの重量床衝撃音の遮断性能を改善し、上下階の居室から聞こえる音は同社従来品比3分の1に低減。

1、2階の賃貸住宅中心に累計約1400戸受注してきた。今後は騒音防止対策を重視するホテルの受注増も見込む。
日刊工業新聞2018年5月16日
葭本隆太
葭本隆太 Yoshimoto Ryuta デジタルメディア局DX編集部 ニュースイッチ編集長
アパートに住んでいた頃、上階の騒音が原因で引っ越した経験があります。このため、賃貸物件を選ぶ際に遮音性の評価を開示してくれれば、入居する大きなポイントになりそうですが、見たことがありません。遮音性に対する大家の投資意欲を喚起するためにも、性能表示が浸透すれば良いのになぁと思いました。

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