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住宅メーカー、今期は消費増税前の駆け込み需要で好調に?

大手7社が営業増益を予想
 大手住宅メーカー7社の2019年3月期連結業績は、消費増税前の駆け込み需要が下期から見込まれ、19年1月期の積水ハウスを含む7社全社が営業増益を予想する。各社、非住宅および戸建て注文・分譲住宅での受注強化やリニューアル需要を狙うなど、得意分野に注力する。

 大和ハウス工業の19年3月期は売上高が4兆円を超える見込み。非住宅の商業施設や物流施設の受注が堅調なほか、旺盛なホテル需要を取り込む。駆け込み需要について芳井敬一社長は「土地施策をしっかり打ちつつ、施工を平準化し対応したい」と強調する。

 積水ハウスは戸建住宅を強化し、高付加価値商品を提案する。一方、中価格帯ブランド商品を展開する新会社を18年中に立ち上げ「若者世帯や当社と一般工務店間の市場を狙う」(仲井嘉浩社長)。

 ミサワホームは19年3月期の受注戸数が注文住宅、分譲住宅を中心に前期比1・6%増の1万1630戸を見込む。8日に大末建設と資本業務提携し、リニューアル事業などを強化する。増税前の駆け込み受注は「下期に少し出てくる」(在川秀一執行役員)と想定。積水化学工業も同需要の受注獲得に向け、商品、土地、分譲、営業力を強化していく。

三井ホームは「前期に好調だったリフォーム・リニューアル事業を積極的に展開する」(市川俊英社長)考え。一方で国内外の原材料高騰と国内の人件費上昇を懸念する。

 18年3月期の連結決算(積水ハウスは18年1月期)は大和ハウス工業、積水ハウス、旭化成ホームズ、積水化学工業、三井ホームの5社が営業増益だった。
                    
日刊工業新聞2018年5月14日
葭本隆太
葭本隆太 Yoshimoto Ryuta デジタルメディア局DX編集部 ニュースイッチ編集長
今度の消費増税はどの程度、消費に影響を与えるでしょうか。8%よりも10%に上がる今回の方が消費税負担の計算が簡単なため、影響が大きいという声もあるようです。もちろん消費増税自体が行われるかは定かではありませんが。

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