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JR西日本、山陽新幹線で「500系」後継車開発せず

柔軟な車両編成も視野に「N700S」採用
JR西日本、山陽新幹線で「500系」後継車開発せず

JR東海のN700S確認試験車は3月から走行試験を始めた

JR西日本は次期東海道・山陽新幹線車両として、JR東海が開発し、3月から走行試験を始めた「N700S」を採用する方針を固めた。JR東海が営業車両の投入を始める2020年以降の具体的な投入計画を、今後詰めていく。JR西日本はこれまで次期車両について、自社による新幹線開発に含みを残していた。しかし開発には多額の投資や時間がかかることもあり、N700Sの導入を目指すことにした。

 N700Sは柔軟に編成を構築できる“標準車両”が特徴。JR西日本は直通車両用の16両編成に加え、山陽新幹線区間内での運用を想定して、乗客需要に合わせた4両や8両といった短編成の配備も視野に入れる。

 JR西日本は13年前に起こしたJR福知山線脱線事故以後、研究開発投資を安全対策に集中させ、高速車両の研究は停滞した。4月に発表した23年3月期を最終年度とする中期経営計画にも、新幹線車両の開発再開は盛り込まなかった。

 JR西日本はかつて試験車両「WIN350」を製作し、山陽新幹線「500系」で時速300キロメートルの営業運転を実現。以後は新幹線車両を単独で開発せず、東海道・山陽新幹線「N700系」はJR東海と、北陸新幹線「W7系」はJR東日本と共同開発した。

 一方、JR東海は小牧研究施設(愛知県小牧市)を核に、車両など新幹線関連の技術開発を加速。最新車両「N700A」やN700SはJR東海が単独で開発した。N700Sは走行試験車の製造を日立製作所と日本車両製造が分担し、営業車両も2社が製造する。

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日刊工業新聞2018年5月3日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
鉄道は詳しくないが「500系」はファンからみると、とてもワクワクする人気車両とのこと。残念がる人も多いでしょうがメンテとか考えれば合理的な選択でしょう。

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