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阿多岐川に中部電力の小規模水力発電所。電力供給の“清涼剤”に

製造業が多い中部地区。安定した「電力供給と価格」をどう担保していくか
阿多岐川に中部電力の小規模水力発電所。電力供給の“清涼剤”に

完成した「阿多岐水力発電所」

 【名古屋】中部電力は木曽川水系の阿多岐川に「阿多岐水力発電所」(岐阜県郡上市)を完成し、7日に竣工(しゅんこう)式を開いた。最大出力は190キロワットで、一般家庭360世帯の使用電力量に相当する年間130万キロワット時を発電する予定。

 岐阜県が管理する阿多岐ダムの直下に新設し、河川維持流量を有効利用する。2014年5月に着工し、投資額は数億円規模。同社は01年以降、同様の水力発電所を5カ所建設する計画を掲げており、今回が3カ所目。
日刊工業新聞2015年07月08日 建設・エネルギー・生活面
永里善彦
永里善彦 Nagasato Yoshihiko
製造業が強い中部地区は、中長期にわたる安定した“電力供給と価格”を望んでいる。その要望に応えるべく、中部電力は、浜岡原子力発電所の再稼働に向け、昨年2月の4号機に続き、6月16日に3号機の新基準適合性確認の審査を申請した。一方で、安全で安心な、そして環境にも優しい「小規模水力発電所」を5基作る計画を持っていて、七夕の日に竣工式を行った「阿多岐川の水力発電所」は、その3基目にあたる。5基全部が完成しても1,800世帯相当分だが、庶民の目線も忘れずに一服の清涼剤を提供してくれる。

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