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高エントロピー合金、3Dプリンターで造形

日立金属などが開発、自動車・航空機エンジンなどの部材に
 日立金属は多くの元素をほぼ均等な割合で含む合金「高エントロピー合金」を3Dプリンターで造形する技術を、日立製作所と共同開発した。日立製作所が開発した高エントロピー合金「ハイピース」に適応する造形技術として実用化を目指す。強度や耐食性が高い造形物を製作でき、エネルギー関係のプラント機器や自動車・航空機エンジンなどの部材に使えるとしている。

 3Dプリンターによる積層造形に適した金属粉末(写真)を開発するとともに、この粉末をレーザー焼結法で積層する造形プロセスの条件を突き止め、ハイピースの3次元(3D)造形に成功した。

 金属粉末は真空ガスアトマイズ法(溶湯噴霧法)で生成。この粉末層を局所的に溶融して凝固させ、造形する。従来型のニッケル基合金より過酷な環境に対応できる造形物を製作できると期待している。
日刊工業新聞2018年4月18日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
日立金属で先端材料分野の重要な研究開発課題に取り組む「グローバル技術革新センター」(GRIT)で今後、高耐食性が要求される部品を造形して性能を調べ、実用化を急ぐという。

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