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首都圏マンション価格、バブル期に次ぐ高水準に

不動産経済研究所調べ、東京都区部の高額物件が堅調
 不動産経済研究所が16日発表した2017年度の首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)マンション発売戸数は前年度比1・1%増の3万6837戸と、4年ぶりに増加に転じた。東京都区部をはじめ、神奈川県、埼玉県の大型物件がけん引した。1戸当たりの平均価格は東京都区部の高額物件が引き続き堅調で、同6・9%増の5921万円と2年ぶりに上昇、90年度の6214万円に次ぐ高水準となった。

 不動産経済研究所は「駅に近いなど利便性の高い物件に人気が集まり、価格を押し上げた」とみている。

 発売戸数を地域別に見ると、東京都区部が同9・8%増の1万6393戸と堅調なほか、埼玉県が同7・6%増の3970戸と下げ止まった。神奈川県は同1・0%増の9058戸と微増、千葉県は同16・7%減の3672戸と低迷した。

 契約率は同0・3ポイント増の68・8%と4年ぶりに増加したものの、好調・不調の判断の分かれ目となる70%を2年連続で下回った。
 
 3月の首都圏マンション発売戸数は、前年同月比6・1%増の3617戸と3カ月連続で増加した。東京都区部、神奈川県、千葉県で大型案件の新規供給が増えたのが主要因。3月の1戸当たり平均価格は同11・3%増の6220万円だった。

 契約率は同8・5ポイント増の74・7%と改善した。神奈川県が82・0%、千葉県が80・5%と高水準だった。4月の発売戸数は同9・4%増の3000戸を見込んでいる。
 
日刊工業新聞2018年4月17日
葭本隆太
葭本隆太 Yoshimoto Ryuta デジタルメディア局DX編集部 ニュースイッチ編集長
マンションの平均価格はバブル期だった1990年度に次ぐ高水準とのこと。高級物件が多い東京都区部の発売戸数は10%程度増え、一般の一次取得者向け物件が多いと見られる千葉県の発売戸数は大幅減。富裕層と一般層の格差が広がっている様子がうかがえます。

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