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超偏平ブラシレスDCアクチュエーター、一気に16機種投入

ハーモニック・ドライブ、アシストスーツやAGV向けに提案
超偏平ブラシレスDCアクチュエーター、一気に16機種投入

小型・軽量ニーズに対応した超偏平ブラシレスDCアクチュエーター

 ハーモニック・ドライブ・システムズは減速機とモーターを組み合わせた複合部品「アクチュエーター」の品ぞろえを拡充する。5月までに遊星歯車と波動歯車の2種類の減速機にそれぞれブラシレスDCモーターを組み合わせた商品16機種を投入する。各部品を専用設計することなどで高性能や薄型化を実現。部品の小型・軽量化が求められるアシストスーツや無人搬送車(AGV)向けに提案し、2018年にシリーズで1000台の販売を目指す。

 超偏平ブラシレスDCアクチュエーター「FLAシリーズ」は、遊星歯車と波動歯車減速機でそれぞれ電源電圧24ボルトと48ボルトの2タイプを開発。形状は直径約70ミリ―100ミリメートル×幅約40ミリ―50ミリメートルで、4型番ずつ計16機種を投入する。このほど3型番を発売し、5月に直径約100ミリ×幅約50ミリメートルの1型番4機種を追加する。

 減速比が異なる遊星歯車と波動歯車減速機は、それぞれ高速高効率や高精度高出力トルクなど特徴が異なる。一方、アクチュエーターを搭載する製品により、例えば、アシストスーツではスピード、無人搬送車では精度など、求められる性能が異なるため、品ぞろえを増やして幅広いニーズに応えることにした。

 また減速機やモーターをアクチュエーター向けに専用に設計し、一括して提供することで、薄型化や使い勝手の向上なども実現する。これまでは顧客が各部品を個別に調達して搭載していたため、設計の最適化による小型化や組み立て精度の安定化などが難しかった。
日刊工業新聞2018年3月30日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
 独自の波動歯車減速機「ハーモニックドライブ」が数多くのロボットに採用されているハーモニック・ドライブ・システムズ。小型・軽量で高剛性な点が強みで、とりわけ可搬質量5キログラム以下のロボットには欠かせない存在だ。近年はこうした小型ロボットの需要増が大きな追い風。また人と協働するロボットやサービスロボットなど、次世代領域でも勢力を拡大させている。  ロボットの重要部品としてハーモニックドライブの認知度は高い。特に小型・精密領域でのブランド力は圧倒的だ。波動歯車減速機は歯車加工などが難しいため参入障壁が高く、同社はほぼ独占とも言える地位を築いてきた。ただ、競争環境が変わりつつある。日本電産シンポが波動歯車減速機に参入。また中国企業も同様の製品を世に出し始めている。パイが大きくなるので競合が増えるのは当然。新技術や新製品で市場を盛り上げていって欲しい。

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