化合物系太陽光パネル、ソーラーフロンティアが低コストで再利用

分離前の太陽光パネル(上)と分離後の表面ガラス(左下)、封止材(右下)など

 ソーラーフロンティア(東京都港区、平野敦彦社長)は、同社製の化合物系太陽光パネルのリサイクル技術を確立した。密着したガラスと樹脂を分離し、素材別に回収する。処理コストは1ワット当たり4・1円。従来は熱分解処理していたが物理的に分離することで、処理費を3割低くした。まず製造工程で不具合のあったパネル材料の再利用に使うことを検討している。将来は使用済みパネルの処理も検討する。  同社の太陽光パネルは表面ガラス、樹脂製の封止材、銅とインジウムやセレンからなる発電部、基板ガラス、樹脂製の保護膜の順で素材が重なっている。内部に水分が入らないように密着しており、廃棄パネルはガラスと樹脂がはがれず、リサイクルが難しかった。  開発した技術は表面ガラスとそれ以外の素材に分離できる。まず太陽光パネルを加温し、表面ガラスと封止材との化学結合を弱める。分解装置にセット後、パネル側面へ三角形の金属を当て、表面ガラスから封止材側の素材をはがす。表面ガラスには樹脂が残らず、再利用可能となる。加温温度と金属の形状を工夫した。  はがした封止材側の素材は、硝酸を満たした槽につける。剥離した封止材を回収し、沈んだ基板ガラスを除去する。残った液を精錬すると発電部などの素材を取り出せ、再びパネル材料にできる。回収率は90%以上。  現状はパネルを炉に入れて蒸し、封止材を分解してから素材を回収する。高熱を必要とするためコストがかかっていた。  環境省は2040年に80万トンの太陽光パネルの廃棄が発生すると試算する。また総務省が17年9月、適切なリサイクル・リユースの仕組みを求める勧告を出した。市場で主流のシリコン系パネルについては東芝環境ソリューションやエヌ・ピー・シーがリサイクル装置を製品化している。

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