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虎ノ門で地域冷暖房、森ビルが供給プラント設置へ

最適なエネルギー利用を目指す
虎ノ門で地域冷暖房、森ビルが供給プラント設置へ

地下3階にプラントを設置し、地域にエネルギーを供給する(開発中の「虎ノ門ヒルズビジネスタワー」)

 森ビルは東京都港区の虎ノ門エリアで地域冷暖房事業と特定送配電事業を2020年1月に始める。同エリアで開発を進めている超高層ビル2棟などに熱源と電気を供給。各ビルにプラントを設置し、エネルギーの相互融通を可能にして効率的な運用と事業継続計画(BCP)対策に役立てる。地域冷暖房会社とビルのテナントとの3者連携による省エネにも取り組み、最適なエネルギー利用を目指す。

 すでに東京電力エナジーパートナー(東京都港区)と共同で地域冷暖房会社「虎ノ門エネルギーネットワーク」を設立した。19年12月に完成予定の「(仮称)虎ノ門ヒルズビジネスタワー」と22年度に完成予定の「(仮称)虎ノ門ヒルズステーションタワー」の地下にそれぞれプラントを設置する。

 両ビルのほか東京メトロ「虎ノ門」駅と「虎ノ門新駅(仮称)」を結ぶ地下通路、周辺の商業施設や住宅などにエネルギーを供給する。二つのプラントは新駅地下を通る導管で接続。エネルギーの相互融通を可能にする。

 プラントはコージェネレーション(熱電併給)システムと冷凍機、ボイラで構成。温水と冷水、電気を供給する。それぞれのビルに設置した非常用発電機の活用も含め、「夏場に大規模災害が発生した場合でも十分に業務を継続できるだけの電気と熱を供給する体制をとる」(中島慶治虎ノ門エネルギーネットワーク社長)。
日刊工業新聞2018年2月19日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
虎ノ門エリアでは今後も再開発が続く見通し。新しいビルをエネルギーの供給網に順次つなげていくことで、さらに効率的なエネルギー利用と災害に強い街づくりを目指す。 (日刊工業新聞第二産業部・斉藤正人)

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