太陽光だけで6兆円の経済効果。固定価格買い取り制度3年で

駐車場の屋根でも発電。太陽光の普及続く

駐車場に設置したカーポート型太陽光発電

 再生可能エネルギーで発電した電力の固定価格買い取り制度が1日で4年目に入った。2012年7月からの3年で再生エネの発電所は制度開始前の2倍に増加し、太陽光への投資だけでも6兆円近い経済効果が生まれたと試算できる。風力やバイオマス、地熱、中・小水力の開発が進むと経済効果はさらに膨らむ。    数字で見ると固定価格買い取り制度のインパクトの大きさがわかる。経済産業省に申請し、3月末までに設備認定を受けた再生エネ設備は、発電規模を示す出力ベースで8768万キロワット。これは原子力発電80基分に相当する。このうち3月末時点で実際に稼働したのは1876万キロワットだ。  太陽光偏重が指摘されているが、大きな経済効果を生み出しているのは確かだ。経産省の調達価格等算定委員会が示している太陽光発電の設置費用(15年度の資本費)を基に単純計算すると、太陽光は約1800万キロワットの導入に5兆8000億円が投じられたとわかる。  この費用は太陽光パネルメーカー、設置工事を請け負った工務店などに支払われた。  さらに太陽光パネルを設置した家庭、大規模太陽光発電所(メガソーラー)の発電事業者などが販売した電力は累計1兆3000億円となった。地元自治体には固定資産税や法人事業税がもたらされている。    一方でメガソーラーの建設適地は残り少ない。制度1年目の13年3月末までに稼働したメガソーラーは107件だった。それが15年3月末には累計2565件まで増加。設備認定数から推定すると8000件近くが未稼働のまま発電事業者によって建設地がおさえられているようだ。  国内最大のメガソーラー事業者であるオリックスの横治明彦環境エネルギー部副部長は「制度開始から1年半たったところでいい場所が少なくなった」と振り返る。そこで駐車場に目をつけた。3月末、豊通ファシリティーズと共同でカリモク家具の店舗(愛知県知多市)駐車場に太陽光パネルを導入した。  屋根のなかった駐車場には太陽光パネルが屋根代わりとなる。「売電できるので屋根だけを取りつけるよりも費用対効果が高い。日差しを抑えて自動車の温度上昇を抑制し、雨よけになるので顧客満足度の向上にもつながる」(横治副部長)。  商業施設以外では地方工場の従業員駐車場がターゲットで、これまでに3カ所の駐車場で着工が決まった。引き合いは30件近くあり、中には発電した電力を建物で使う自家消費を検討する顧客もいるという。  設置場所と自家消費のような使い方の広がりが、太陽光の普及を支える。同じことが他の再生エネにも広がるとより大きな経済効果を生み出す。

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