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遠れたオフィスの様子を常時投影、一緒に働いている感覚を演出

セイコーエプソン、「拡張オフィス」提案
遠れたオフィスの様子を常時投影、一緒に働いている感覚を演出

遠隔地にあるオフィスの様子を大画面のプロジェクター映像で常時投映

 セイコーエプソンは、遠隔地にあるオフィスの様子を大画面で常時投映し、より活発にコミュニケーションできるプロジェクターの利用提案を始めた。例えば、離れた場所にある生産現場と設計部門などが仮想的に同じ空間で働ける。すでに自社内に導入し、情報共有が容易になったり、業務スピードが上がったりするなどの効果を確認した。テレビ会議システムの販売会社などと連携し、顧客へ訴求する。

 今回のプロジェクターの提案は「拡張オフィス」と呼ぶ。離れたオフィス間を米マイクロソフトのコミュニケーションツール「スカイプフォービジネス」で常時接続する。机に隣接したスクリーンや壁一面に映像を投写し、一続きのオフィスのようにできる。

 必要に応じてテレビ会議のツールに切り替えられる。サテライトオフィスなど働く場所が多様化する中、大画面映像を使うことで、失われがちな組織の一体感を醸成する。

 セイコーエプソンでは本社(東京都新宿区)と松本南事業所(長野県松本市)を接続し、効果を確認した。

 利用者からは「タイミングを逃さず連絡を取り合える」や「当初は映ることに抵抗があったが、進めると当たり前になった」などの声が上がっている。今後、社内での利用を増やし、働き方改革に役立てる。

 プロジェクターは高輝度化や高解像度化により、プロジェクションマッピングなどの新しい利用方法が始まっている。

 通信についても高速・大容量の第5世代通信(5G)の実用化が予定され、映像を使ったコミュニケーションの可能性が広がりそうだ。
日刊工業新聞2018年1月17日
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
一見するとテレビ会議と変わらないようにも思えますが、常時映されていることで一緒に働いているような親近感を感じることができるのでしょうか。

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