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公道走れる電動アシスト付き人力車、車夫の引く力をセンサーで検知

府中技研など5社が開発、今春から実証
公道走れる電動アシスト付き人力車、車夫の引く力をセンサーで検知

電動アシスト付き人力車の事業化を目指すプロジェクトメンバー

 府中技研(東京都府中市、乙津昇社長)など5社は、公道でも走れる電動アシスト付き人力車を共同開発した。電動アシストによって従業員の体力に依存しないサービスを実現できる。えびす屋の屋号で人力車を使った観光事業を全国展開するベリープロジェクト(京都市右京区)をメンバーに加え、実用性を高める。今春に実証実験を始める。

 プロジェクトは府中技研とベリープロジェクトのほか、小川優機製作所(横浜市保土ケ谷区)、高山自動車(東京都狛江市)、システムクラフト(東京都立川市)が携わる。

 電動アシスト付き人力車の導入により、女性や高齢者など車夫の幅を広げ人材確保につなげられるほか、これまで人力車が参入できなかった坂道の多い観光地も開拓できる。10月までに試作を終え、販売や量産化に向けた事業化を目指す。

 電動アシスト付き人力車は、開発したパーツを既存の人力車に組み込み導入コストを抑える。車夫の引く力をリニアアシストセンサーで検知し、モーターや減速機が入った駆動機構部がスムーズな移動をサポートする。

 登坂能力は6度で、乗車定員2人。下り坂用にブレーキも備える。プロジェクトリーダーで府中技研会長の波多野和明氏は「東京五輪・パラリンピックの時には量産化し、売れる値段の人力車を走らせたい」と意気込む。
日刊工業新聞2018年1月15日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
宅配便やリヤカーなど、荷台に積載物を乗せて引く仕事をアシストするさまざまな支援機器としての応用も検討する。同プロジェクトは東京都立産業技術研究センターの東京都ロボット産業活性化事業の公募型共同研究開発事業に採択された。

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