ニュースイッチ

トヨタの章男社長、モーターショーを愉しむ

トヨタの章男社長、モーターショーを愉しむ

東京モーターショーのスバルのブースにはトヨタの豊田社長がサプライズ訪問

 乗用車各社がスポーツタイプモデルのラインアップを強化している。市販車をベースとした身近なモータースポーツ活動を強化するとともに、その成果をスポーツタイプ商品の開発にフィードバックする手法が目立つ。クルマの付加価値を高める一つの方法として確立した感がある。

 5日まで開催中の東京モーターショー2017。プレスデー2日目の10月26日にはSUBARU(スバル)のブースにトヨタ自動車の豊田章男社長が現れ、スポーツセダン「WRX STI」の特別仕様車のハンドルを握ってみせた。「四輪駆動車でターボエンジンを積んだこのクラスの車はトヨタにはない。ラリーの練習に使って頂いているようです」と、スバルテクニカインターナショナル(STI、東京都三鷹市)の森宏志取締役開発本部長。

 スバルはスポーツブランドのSTIの活用を付加価値向上策の柱に据える。「スバルが提供する『安心と愉しさ』の愉しさを高めるのがSTIの役割」(森取締役)と、位置づけは明確だ。モーターショーでは、WRX以外に「BRZ」のSTI仕様を出品した。

 豊田社長のクルマ好きというキャラクターがすっかり定着したトヨタも、モータースポーツ活動を強化中。東京モーターショーには世界ラリー選手権(WRC)や世界耐久選手権(WEC)への参戦車を展示。併せて、ラインアップ強化を打ち出した市販車のスポーツモデル「GRシリーズ」の各車を並べた。

 「クルマは単なる移動手段ではない。その楽しさをアピールしたいということ」と、トヨタの小島正清GRモータースポーツ開発部長は話す。今回は電気自動車(EV)へのシフトが注目されるだけに、EV化でクルマがコモディティー(汎用品)化してはまずい、エンジン車の魅力を訴えたいという。

 一方、EVでのモータースポーツ強化を打ち出したのが日産自動車。EVによるレース「フォーミュラE」に18年末から参加すると発表した。製品面では新型EV「リーフ」のモータースポーツタイプ「リーフニスモコンセプト」を出品した。

 「EVといえば環境に良い落ち着いた車というイメージがある。だが加速性能の高さなど、EVならではのスポーティーさ、エキサイトをもたらす要素があるはずだ」。日産自動車の山根真アドバンストデザイン部デピュティジェネラルマネージャーは訴える。

 モータースポーツと一口に言っても、力を入れる分野は各社の戦略によって微妙に異なる。乗用車開発にどう取り入れられていくか各社のアウトプットが注目される。

日刊工業新聞2017年11月2日



センチュリーのスポーツカー仕様がいい


 トヨタ自動車の豊田章男社長は29日、東京モーターショーに合わせてドライバー「モリゾウ」として東京都江東区の自社施設でトークショーを開いた。司会の小谷真生子キャスターや、メジャーリーガーのイチロー選手と会場を盛り上げた。

 東京モーターショーで気になるクルマを問われた豊田社長は、2018年に全面改良して発売するトヨタの最高級車「センチュリー」を挙げた。「『GRMN』仕様のセンチュリーを1台つくってもらおうかな」と、スポーツカーの新ブランド「GR」の頂点モデルと組み合わせる発想に会場から笑いが起きた。

 「愛」については小谷さんに振って困らせる場面も。イチロー選手は「一方通行であるべき」と答えた。豊田社長は「許すにせよ切るにせよ、そこに愛がなければ冷たいものになってしまう」と語っていた。

日刊工業新聞2017年10月30日



ホンダのバイクにまたがる


 「見て、感じてもらいたい」―。東京・有明の東京ビッグサイトで報道関係者向けに始まった「第45回東京モーターショー」の会場を、主催者である日本自動車工業会の会長代行を務めるトヨタ自動車の豊田章男社長が訪れた。

 各社のブースで車をのぞき込んだり、バイクにまたがったり。その姿からは、会長代行としてショーを盛り上げようとする責任感とカーガイ(クルマ好き)で知られる豊田社長自身が興味津々で楽しんでいる様子が伝わってきた。

 「色気があるね」。マツダでは次世代ガソリンエンジン搭載の「魁(かい)コンセプト」に興味を示した。そこへ小飼雅道マツダ社長が現れ、資本提携関係にある両社トップはがっちりと握手。業務提携したスズキでは同世代の鈴木俊宏スズキ社長と談笑した。ホンダのバイクに笑顔でまたがる場面も。

 会場全体については「改めて自動車産業の裾野の広さを感じた。競争相手が変わってきている」と手応えと危機感をにじませる。最後は「体験できる出展も多い。盛り上がれば」とPRしていた。
ホンダのバイクにまたがり笑顔を見せる豊田自工会会長代行(後方)

日刊工業新聞2017年10月27日

明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
よく章男社長の記事でサプライズ登場と書かれるが、誰のサプライズ?章男社長に限らず展示会やイベントで経営トップが現れるますが、サプライズはほとんどありません。

編集部のおすすめ