インバウンド追い風に、関空絶好調!新規就航も相次ぐ

「フルサービスキャリア(FSC)が売れない」現状も

関空に来年1月に就航するルフトハンザ・カーゴ

 関西エアポート(大阪府泉佐野市、山谷佳之社長、072・455・2103)が運営する関西国際空港で、中長距離路線の新規就航が活発化している。格安航空会社(LCC)専用第2ターミナルビルが2017年1月に開業し、4月からは関空に就航する国際線への着陸料割引制度を拡充した。これら路線網の拡大策が功を奏し、新規就航の中長距離便で旅客便3件、貨物便1件を取り込んだ。勢いは続くのか、動向を追った。(大阪・中野恵美子)  関空は今年4月、フルサービスキャリア(FSC)であるS7(エスセブン)航空(ロシア)による週2便の関西―ウラジオストク線を約9年ぶりに再開した。  6月にはLCCのジェットスター・パシフィック(ベトナム)が新規就航。引き続き12月からカンタス航空(豪州)が関西―シドニー線を週3便、運航開始する。  また貨物便では、18年1月よりルフトハンザ・カーゴ(独)が関西―フランクフルトを週2便就航する。自動車部品や医薬品など、拡大する欧州との航空貨物需要を取り込む。関空では、18年夏までに国際航空運送協会(IATA)が進める医薬品の貨物輸送に関する認証「CEIV Pharma」取得も目指している。今回の運航再開により、関西地域と欧州間の輸送容量拡大を図る。  LCCの新規就航や増便と合わせて、特にアジア圏からの訪日外国人観光客(インバウンド)が増加した。17年度は、各月で前年同期比を上回る旅客数を記録中だ。また、16年度の関空における国際線乗り継ぎ率が1%未満と、関空利用者が関西圏を訪問地として選ぶ傾向が見られる。「消費する場としてのディスティネーション(目的地)空港」(関西エアポートの山谷佳之社長)と関空を特徴づけ、関西への集客に手応えをつかむ。  一方で“関西のハブ空港”として「フルサービスキャリア(FSC)が売れない」(同)現状に唇をかむ。空港運営で利益を上げるためには、客単価の高い中長距離路線や、FSCの増便が不可欠。さらに関西経済の振興なしには、航空機のビジネス需要も喚起できない。  関西エアポートとオリックス、フランスのヴアンシ・エアポートの企業連合は既存の関西国際、大阪国際(伊丹)に、18年4月から神戸を加えた3空港の一体運営に取り組む。さらなる航空需要の拡大へ向け、民間の自由な発想による手腕をいかに発揮するか、真価が問われる。

続きを読む

関連する記事はこちら

特集