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JR・私鉄の制服、外部流出防止のためICチップなどで管理

JR東日本商事が個別管理システム
JR・私鉄の制服、外部流出防止のためICチップなどで管理

制服にICチップなどを付けて管理する

 JR東日本商事は業務で着用する制服を、個別に管理するシステム「unirak(ユニラック)」を開発した。JRグループや私鉄など鉄道各社に拡販する。制服にICチップやバーコードを付けて、個人にひも付けて管理。紛失などを防ぐほかコスト低減につなげる。開発費は約2億円。制服のレンタル料などから、制服管理料を徴収し収益にする。2017年度内にJR東日本グループ10社への導入を目指す。

 ユニラックは制服にバーコードやICチップを付け、システム上で個体管理し、誰が何着持っているかを把握できる。個人情報をはじめとしたデータを暗号化して管理することで、セキュリティーレベルを高めた。

 JR東日本やグループ各社では、全社員を対象に、定期的に制服を支給している。だが、これまでは個体管理をしていないため、毎年、支給する数の計画にブレが大きかった。ユニラックを導入することで、支給の際の需要予測の精度が高まり、経費の効率化にもつながる。

 また、管理部門などは通常の業務で制服を着用する機会が少ないため、ほとんど使用しないまま、制服が増えていくこともあったという。制服をシステム上で管理して、誰に何着支給し、どこにあるかを把握することで、外部への流出を防ぎ、セキュリティーを高める。

 現在、JR東日本も導入を検討しており、1―2年内に導入する見込み。JRグループでも数社が導入を検討している。JR東日本商事はセキュリティーの観点から、制服の管理が必要な鉄道を中心にサービスを広げる。
日刊工業新聞2017年10月19日
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
鉄道関係者の制服を欲しがるマニアは多そうですが、セキュリティのためにも管理の徹底が必要というのは少し意外でした。

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