「太陽光7%は目標ではない」。太陽光発電業界の論客が語るエネルギーミックス

鈴木伸一太陽光発電協会前事務局長に聞く。1億kw導入という通過点とその先

鈴木前事務局長

 エネルギーミックス(電源構成)の政府案で2030年度の太陽光発電の比率は7%となった。少ないとする意見がある一方で、電力料金に上乗せされる賦課金が電力コスト上昇を招くとし、大量導入に批判的な声も聞かれる。7%が限界なのか、総合資源エネルギー調査会(経済産業相諮問機関)新エネルギー小委員会で業界の意見を発言してきた太陽光発電協会の鈴木伸一・前事務局長に聞いた。    ―電源比率では7%ですが、導入見込み量では6400万キロワットとなります。現状比4倍の増加ですが評価は。  「7%は通過点に過ぎない。現時点で経産省に申請して認定を受けた太陽光発電設備だけで超える。建設を断念した設備があっても、20年には6400万キロワットに到達する。20年以降、導入がゼロになるということはありえない。我々は30年度に1億キロワットを必達と思っている」  ―数字が一人歩きし、太陽光の導入は7%が上限と受け止められていますが。  「7%は目標ではない。政府も(電源構成案を)エネルギー長期需給見通しと言っている。安全性、エネルギー自給率、コスト、環境のベストバランスを求めてシミュレーションした結果の数値だ。太陽光は20年に到達する数値が30年に設定されており、現実を踏まえた数字ではない」  ―では再生可能エネルギー全体で22―24%とされた比率については。環境団体などは30%を主張しています。  「24%も低い数字ではない。30%には電力系統を本気で作りかえるなど相当な工夫が必要だ。30%と言ってもらえるのは心強いが、我々は業界団体。現時点で会員企業が実行できるという数値でないと口に出せない」  ―固定価格買い取り制度が7月で4年目に入ります。ここまでの3年の成果は。  「太陽光の導入が増えたので100点満点中80点と評価している。課題も出たのでマイナス20点だが、早いうちに課題が明らかになり、修正ができるので良かったと思う」  ―賦課金が電力コストを上昇させるという意見が出るなど、太陽光への逆風が強まっています。  「欧州から見ると、日本の賦課金は低い。賦課金があっても火力の燃料費は抑えられる。それに温暖化対策など目に見えない便益もある。発電が増えすぎると、需給調整のために買い取りを一時停止する出力抑制の頻度が増えるルール改正があったが、ある程度の出力抑制は必要。頻度を減らす技術開発をするべきだ」    【記者の目/業界団体として発言力の向上を】  30年度の再生エネの賦課金4兆円の評価が立場で分かれる。火力燃料費の半分が賦課金に置き換わる訳だから、太陽光の業界団体としては国全体の燃料費抑制につながると主張する。一方で電力コスト上昇の要因と指摘する向きもある。業界団体として太陽光発電のコスト低減の努力を続け、発言力を高めてほしい。  (聞き手=松木喬)

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