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Uberプロダクトリーダーらが語るAIとスタートアップ

Tech in Asia Tokyo 2017 カンファレンス「競争激化する人工知能」
Uberプロダクトリーダーらが語るAIとスタートアップ

左から、Nagumo氏、Shoji氏、Zheng氏、Romero氏

 日本および世界のテクノロジースタートアップが集結し、ネットワーキングやカンファレンスを行うイベント「Tech in Asia Tokyo 2017」が9月27日、28日に開催された。2日目に行われたカンファレンス「競争激化する人工知能」では、UberのプロダクトリーダーAlexis Zheng氏、AIスタートアップへの投資を行うZeroth.aiよりTakahiro Shoji氏、グローバルで投資を行うFenox Venture CapitalのToshitada Nagumo氏がAIとビジネスの今後の可能性について話し合った。

 まず司会を務めたDisrupting JapanのTim Romero氏より、「AIの定義に関する論争」についての問題提起があった。専門家たちはAIの定義を厳密にしようと主張してきたが、一方でシリコンバレーを中心に「AIスタートアップ」と名乗り始める企業が増えてきたことを指摘した。
 Nagumo氏はこの世界的な流れに対し、世界中でAIスタートアップに投資している観点から、「AIをサービスと紐づけること」を強調。「AIを使って人々の生活を豊かにするために大事なことはソリューション。AIだけが重要だけでなく、それをとりまくビジネスモデルが必要」と話した。
 Shoji氏は「AIはスタートアップにとって使いやすい言葉。バズワードになっている」と指摘した。

 AIがビジネスをどのように変えていくか聞かれたZheng氏は、「現在、たくさんの素敵なアプリがある。自動運転も楽しみなものの1つ。また、自転車にAIが搭載されれば、旅行が楽しくなる場所に自転車が連れて行ってくれるようになるかもしれない」と期待を込める。また、「最適化」がAIが一番適用されている場所だと指摘し、航空業界の例を挙げ、AIを使うことで効率的で正確なシステムを構築できると話した。
 Shoji氏はAIを導入することで営業のスタイルが変わることを例に挙げた。成功している担当者のデータを取得し、顧客への提案の仕方をAIで最適化する。「営業チームがお互いの能力や情報を共有できるので、より多くの利益が得られるようになる」という。
 Nagumo氏は、昨年投資したAIを使った感情認知システムを開発するベンチャーを紹介。この技術がCMなどの広告で使われた場合、どのシーンを見た時にお客さんがワクワクしたかがわかるようになり、マーケティングにつながるという。

 「AIビジネスで競争優位性をもつためには」という議題では、「AIに関するユースケースを作っていくことが必要」と答えたZheng氏。「人、機械それぞれに最適なタスクがある。より効率的にするためどちらかを選ぶ、というシーンがでてくるだろう。AIソリューションをもっと積極的に、前向きに考えていく必要がある」という。Nagumo氏も「目的を持ってAIをソリューションに結びつけなければ、収益性は見込めない」と話した。
ニュースイッチオリジナル
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
セッション時間が短く、Uber内でのAIの活用などもっといろいろな話が聞きたかったというのが正直な感想です。

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