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孫社長、ロボット戦略拡大へ大号令!SBの事業会社に鴻海、アリババが出資

ペッパーの需要急増、孫社長「(今は)製造コスト以下で販売しているが、鴻海には優れた量産技術がある」
 ソフトバンクが人型ロボット市場の開拓に本格的に乗り出す。ロボット事業を統括する「ソフトバンクロボティクスホールディングス」に、台湾の鴻海精密工業と中国の阿理巴巴集団(アリババ・グループ)がそれぞれ145億円出資すると発表した。両社の出資比率はそれぞれ20%。孫正義社長は「鴻海は優れた生産技術を持っている。本格的に生産を増やす」と述べた。人型ロボット「ペッパー」の需要が家庭に加えて企業でも高まっており、出資を受けて量産体制を整備する。

 孫社長は18日に開いた会見で、19万8000円(消費税抜き)に設定したペッパーの本格価格について「製造コスト以下で販売している」と述べ、現状ではこれ以上の値下げが難しい認識を示した。消費者が価格をどのようにとらえるかが、普及の一つのカギになる。

 ペッパーに関しては、優れたコミュニケーション能力と感情を持つことを最大限訴求して拡販を狙う。一般に加えて法人向けにもペッパーを秋に販売。接客や受け付けなどに対応するアプリケーション(応用ソフト)を用意する。さまざまな業務に導入できるようにする。このほかアルバイトのために、ペッパーを企業に派遣する予定。

 

 ソフトバンクは18日、感情を認識する人型ロボット「ペッパー」を一般向けに20日に発売すると発表した。本体価格が19万8000円(消費税抜き)。6月は1000体用意。基本料金が月額1万4800円。

 孫正義社長は「ペッパーに感情を与えることができた。人とのやりとりで感情が刻々と変わり、褒めると明るくなる」と強調した。月産1000台の生産体制を整える方針。家庭で人とロボットが生活する時代の幕開けになりそうだ。
日刊工業新聞2015年06月19日 1/3面
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
鴻海が出資したことで、これからペッパーのハードウエアのバリエーションが増えていくということか。でもペッパーの今の「顔」に親しみを持つ人はどのくらいいるのか。

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