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食品メーカー、「インスタ」でプレゼント攻勢

販促利用相次ぐ
食品メーカー、「インスタ」でプレゼント攻勢

日本盛は「チアーズボトル」を入れた写真をインスタで募る

 自分が撮影した写真をネット上に投稿する「インスタグラム」などの流行を受け、食品メーカーの商品販促にも活用する例が増えている。日本コカ・コーラはハロウィーンに合わせ、スマートフォン写真で魔女やオオカミの仮装が楽しめるスタンプキャンペーンを始めた。自社商品を使った料理写真の投稿コンテストを、味の素冷凍食品(東京都中央区)は15日に始め、日本盛(兵庫県西宮市)も10月1日に始める。

 日本コカのスタンプは時期に応じて魔女、オオカミ、カボチャと内容が変わる。また、コカ・コーラ製品と一緒に撮った写真を公式アカウントに送信すると、ハロウィーンお化けがいたずらした写真になる企画も実施。投稿者から優秀者100人にコカ商品をプレゼントする。

 味の素冷凍食品は、おにぎりの具「おにぎり丸」が対象。受験期や野球大会でがんばる息子を応援する母親のおにぎり写真などをインスタグラムやツイッターの公式アカウントで受け付け、優秀者に弁当関連グッズを贈る。

 「コンテストでおにぎり丸の商品理解と認知拡大を図りたい」と同社。日本盛のコンテストはボトル缶商品「日本盛チアーズボトル」が入った料理写真をインスタグラムで募り、優秀者にギフト券や詰め合わせを贈る。

 日本盛はインスタグラムを利用する理由について「中高年層が使うフェイスブックよりも、インスタグラムは若い女性の利用が多いので商品の狙う客層と合致した」と語る。

 チアーズボトルは日本酒らしからぬ斬新なボトルデザインが特徴で、コンビニエンスストアで先行販売したところ、若い女性らから「ボトルがおしゃれできれい」とインスタ投稿で話題になったことが“ヒント”になったという。

 味の素冷凍食品は「おにぎり丸は具材なので、おにぎりにすると中身が見えなくなるので商品のPRがしにくい。そこで若い女性に人気のインスタグラムに注目した」と語る。自分が作ったきれいなおにぎり、かわいいおにぎりを他人に見せたい女性心理を利用し、おにぎり丸の販売も伸ばそうというわけ。インスタ活用企業は今後も増えそうだ。
(文=嶋田歩)
日刊工業新聞2017年9月20日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
比較的クールな世界観を持つインスタであまり俗っぽいことをすると逆効果になりかねない。

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