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【今週のリケジョ小町】工具の“代表作”を世界へ

株式会社タンガロイ 城間 ひかるさん
**切削工具の設計
「『これが私の開発した工具です』と、大声で言える製品を早く手がけたい」−。切削工具大手、タンガロイ(福島県いわき市)の城間ひかるさん(26)は日々、設計にいそしむ。まだ入社3年目、インサートと呼ばれる交換式の刃先と刃先を保持するボディーを別個にしか担当したことがない。一つの製品として両方を設計した“代表作”を、世に送り出すのが今の目標だ。生まれ育った沖縄から遠く離れ、理想の「海外で活躍」する未来を切り開こうとしている。

気配り、丁寧さを特に意識


「那覇市の出身です。父が土木関係の仕事をしていた影響で地元の高等専門学校で学びました。機械関連を勉強すればつぶしが効くな、将来職に困らないだろうな、と高専生の受け入れが盛んな長岡技術科学大学に入り、大学院機械創造工学課程の修士号を取りました。総勢100人のつり部に所属し、釣った小アジを唐揚げにして食べたのが、いい思い出です」

「気配り、丁寧さが人と接する上でとても大事だと思います。学生時代の結婚式場でのアルバイトでそう気付きました。今の職場では他部署との調整が必要な時などに、特に意識して動いているつもりです」

海外を舞台に活躍したい


「切削理論の授業などもあったので、工具は遠い存在ではありません。とはいえ、今は専門書を読んだり、先輩に教えてもらったり、理論を社内実験で確認したりと勉強の毎日です。苦労して設計した工具をテストし、思った通りに削れた時はいつも感動しています」

「実家の近所に国際協力機構(JICA)の施設があり、よく遊びに行っていました。その影響からか、将来は海外を舞台にグローバルに活躍するのが夢。それができる会社で働きたいと思い、イスラエルに本社のあるIMCグループのタンガロイに入社したのです。私が開発した製品を世界中のお客さまに使っていただきたいです」
日刊工業新聞2017年9月18日
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
タンガロイは日本で初めて開発された超硬合金「タンガロイ」に由来しているそう。

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