陸上界は“失われた20年”にならず

桐生祥秀さんが日本人初の9秒台

ようやく破った10秒台の壁

 ウサイン・ボルトを筆頭に9秒台を続出するジャマイカのスプリンターは、日本人選手といったい何が違うのか。北京五輪銅メダリストの朝原宣治さんが、同国のコーチに尋ねたという。  骨格なのか、それとも筋肉かと思いきや、答えは「日本には9秒台で走る文化がない」。「100メートルを走るためのエンジンは」と聞くと、返ってきたのは「頭だよ」。指摘されたのは肉体面ではなくメンタル面。誰も10秒を切ったことがないという事実が選手の心に重くのしかかる。  日本人で9秒台に最も近づいたのは伊東浩司さん。1998年に10秒00を記録した。9秒台間近と誰もが考えたが、壁はとてつもなく高く、15年たっても誰も超えられない。朝原さん自身も、01年の10秒02が自己最高だ。  誰かが一度でも超えていたなら、“失われた15年”も一変していたかもしれない。しかし、今年になって洛南高校(京都市)の桐生祥秀君が10秒01を記録するなど、再び日本人初の9秒台への期待が膨らんでいる。8月にモスクワで開催される世界陸上では、ぜひとも壁を打ち破ってほしい。  ちなみに、世界陸上の前に参院選が控える。アベノミクスの是非はともかく、こちらでは失われた20年を吹き飛ばす論戦を期待したい。ちょっと、こじつけ気味ですが。

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