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高橋一生演じる政次が潜んでいた直虎ゆかりの洞窟

「落ち武者が洞窟に隠れ住むのは科学的に理」
高橋一生演じる政次が潜んでいた直虎ゆかりの洞窟

鳳凰が翼を広げたように見える鍾乳石「鳳凰の間」

 「落ち武者が洞窟に隠れ住んだという逸話は全国にあるが、科学的に理にかなっている」と話すのは、竜ヶ岩洞(りゅうがしどう)支配人の小野寺秀和さん。竜ヶ岩洞は浜松市北区引佐町にある総延長1046メートルの鍾乳洞。小野寺さんは地主の戸田貞雄氏(故人)とともに鍾乳洞を発見した洞窟探検家だ。

 洞内の気温は年中18度Cで、夏涼しく冬は暖かい。中には開けた空間ときれいな水もある。気温差で冬期は外から中へ空気が流れるため、洞内で煮炊きしても煙やにおいが漏れにくいという。

 引佐町はNHKで放送中の大河ドラマ「おんな城主直虎」の舞台。主人公、井伊直虎の目付で、ドラマでは高橋一生さん演じる小野但馬守政次は徳川家康の遠江侵攻の際、竜ヶ岩洞に潜んでいたところを追っ手に見つかり処刑されたと地元で伝わっている。

 家康侵攻が12月、小野は翌春に捕縛されており、小野寺さんは「温かくなって空気の流れが変わったために見つかったのかも」と忠臣、奸臣(かんしん)両説がある小野の最期に思いをはせる。

 鍾乳石が1センチメートル育つには100年かかる。竜ヶ岩洞は約2億5000万年前にできたと推定され、まさに自然の神秘。鳳凰が大きく翼を広げたように見える「鳳凰の間」や発見者の感動が伝わる「喜びの窓」など洞内の見所は50カ所以上。周辺には直虎ゆかりの龍潭寺や方広寺もあり山や湖など自然も豊かだ。
(文=田中弥生)
【アクセス】▽浜松市北区引佐町田畑193、053・543・0108▽新東名高速道路「浜松いなさインター」から車で10分、JR浜松駅から遠鉄バス「竜ヶ岩洞入り口」で下車、徒歩5分。洞内見学料金は大人・高校生1000円。小中学生600円(団体割引あり)。営業時間は9―17時。年中無休。
日刊工業新聞2017年9月1日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
自分は今回の大河をほとんど見ていない。8月20日に放送された高橋一生演じる政次の処刑シーンはツイッターでも大反響だったとか。余韻に浸りたい方はぜひ足を運んでみてはいかが。

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