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心筋梗塞、新治療に糸口。血管距離の延長で心臓障害を抑制

名大が技術開発
 名古屋大学医学系研究科の小林光一客員研究員らは、血管の距離を延長することで、心筋梗塞の新たな治療法につながる可能性のある技術を開発した。

 心筋梗塞後の心臓の左心室心内膜から、新生血管が発生して貧血解除に貢献していることが判明。血管の距離延長で心臓障害の進展を抑えられた。新生血管の制御で、心筋の貧血を救える可能性がある。

 心筋梗塞にしたモデルマウスを観察した結果、心筋細胞の貧血解除のため左心室心内膜から血管が発生し、成熟した血管になるのを確認した。

 高酸素状態で管理すると心内膜側の生き残った心筋が著しく増えており、心筋梗塞後の問題である左心室拡大を抑えたという。
左心室心内膜(下面)より形成された新生血管像(名古屋大学 提供)
日刊工業新聞2017年9月1日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
新生血管とiPS細胞(人工多能性幹細胞)を組み合わせれば再生医療技術にもつながると期待されている。

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