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【今週のリケジョ小町】両親に家を建ててあげたい

東建コーポレーション株式会社 亀井 南さん
**建造物の建設費用計算
東建コーポレーションの亀井南さん(31)は5月に出産・育児休暇から復帰し、鉄筋コンクリート建造物の建設費用を計算する部門に配属された。積算業務は正確さとスピードの両立が求められるため、メリハリと優先順位をつけつつ、「早く一人前になりたい」と負けん気の強さをのぞかせる。建築士の2級と1級の資格を制度上の最短で取得した努力家は、積算士の資格取得を次なる目標とし、仕事と育児の両立も目指している。

両親に家を建ててあげたい


「両親に家を建ててあげたいと思い、建築全般を学べる京都府立大学人間環境学部(現生命環境学部)環境デザイン学科を選びました。CAD用コンピューターの台数が少ないため手書きで製図するなど苦労もしつつ、木造の継ぎ手の強度などを研究しました」

「入社後の最初の配属は意匠設計部門でした。意匠に強いこだわりを持つ人もいる中、考え方が違うのではというギャップがあり、得意だった数学を生かせる積算部門への異動を願い出ました。仕事後の飲み会で異動したい旨を話したこともあり、上司が気持ちをくんでくれました」

モデルケースになりたい


「積算部門に異動して4年目です。鉄筋コンクリート建造物は5階建て以上の賃貸マンションが中心のため金額が大きく慎重になります。現場の意向や競合との兼ね合いを図る必要もあります。積算結果を何度も見直しますが、段階ごとに小休止して作業に集中できるようにしています」

「現在の西日本事務所(大阪市北区)には出産・育児休暇を取った女性はいません。私が休んでいる間に新卒の女性が5人入社しました。仕事と育児の両立は始まったばかりです。仕事の失敗を家に持ち帰らないなど公私の線を引いて仕事を続け、彼女たちのモデルケースになりたいです」

「趣味はサーフィン。夫と一緒に京都や福井、三重の海に出かけます。出産前は冬も行き、年中楽しんでいました」
 
日刊工業新聞日刊工業新聞社2017年8月28日
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
会社にモデルケースの女性社員がいれば、長く仕事を続けるイメージが湧き定着につながります。

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