今、神戸ではFOCUS(フォーカス)が熱い!!

計算科学振興財団、産業向けスパコン増設−演算能力を1.5倍に

企業を主体に貸し出す産業向けスパコン「FOCUSスパコン」

 計算科学振興財団(神戸市中央区、秋山喜久理事長)は、産業向けスーパーコンピューターシステム「FOCUS(フォーカス)スパコン」を増設し9月1日から共用を始める。最も高性能なシステムにスパコン12台を追加し、演算能力を現状比1・5倍に高める。導入費用は約2500万円とみられる。増設により、2017年度の利用数は過去最高だった16年度実績(163法人)の更新を狙う。  FOCUSスパコンは現在、八つのシステムが稼働する。この中で最も演算性能が高い「Fシステム」を増強する。導入するスパコンは富士通製。1秒間に実行できる総理論演算性能は、39テラフロップス(テラは1兆、フロップスは浮動小数点演算性能)になる。  Fシステムは16年10月に共用を開始。17年4月に人工知能(AI)を搭載したスパコンを2台導入するなど、段階的に増強している。  企業などが製品開発やシミュレーションを行う際、FOCUSスパコンを利用する事例が増えており、毎年増加傾向にある。17年度の利用実績は、7月時点で151法人に上る。  過去最高だった16年度を上回るペースで推移しており、特に演算能力が高いFシステムの引き合いが増えているという。FOCUSスパコンは年間を通して秋冬の稼働が最も多く、繁忙期を見越した導入により混雑の緩和につなげる。  また、スパコンの処理から得たデータを、利用者が保有するパソコンに転送するための回線も増設した。増設した回線の速度は毎秒1ギガビット(ギガは10億)。  転送速度を2倍に高めており、従来よりデータ転送の遅延が起こりにくい。 日刊工業新聞2017年8月18日  「FOCUS」(フォーカス)と聞くと、一世を風靡(ふうび)した新潮社発刊の写真週刊誌(2001年休刊)を思い出す人は多いだろう。同じ略称を持つ組織が神戸市にある。スーパーコンピューターを企業主体に貸し出す国内唯一の公的機関、計算科学振興財団だ。  11年4月に「FOCUSスパコン」の供用を開始し、利用者は年々増加。直近の16年度は過去最高の163法人が利用した。基本料金はスパコン1台で1時間100―500円と手頃だ。製造業の利用が過半数を占め、製品開発期間の短縮など効果は高い。  神戸には理化学研究所の世界最高水準のスパコン「京」も立地する。FOCUSと京は施設が隣接し、入門的にFOCUSを使い、京へステップアップさせる役割も果たす。  ただ、中小企業にとってスパコンは依然としてハードルが高い。中小の活用を促すため、利用相談やセミナーも実施しているが、新規利用を増やすのは難しい。  FOCUSの役割は、中小を含む企業が抵抗なく高度なスパコンを利用できるようにすることだ。毎年4月にスパコン活用事例集を発刊し、身近な利用例も紹介する。より関心をもってもらうため、写真週刊誌のような“つかみ”の情報発信も大事だろう。 日刊工業新聞2017年4月28日

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