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野田聖子大臣インタビュー「総裁選に向け進んでいく」

新閣僚・総務相に聞く「苦しんでいる時にいたずらに批判するのはひきょう」
野田聖子大臣インタビュー「総裁選に向け進んでいく」

野田聖子総務大臣

 ―重視しているテーマは。
 「人口減少で地方が力を失っていることに気が付くべきだ。我々の意識を変え、そこに住む人の意識も変えられるような良い政策誘導ができるようにしたい」

 「またライフワークが女性活躍だったので安倍(晋三)首相のおかげで、女性活躍に関する政策がスタートしたことは感無量だ。女性のみならず男性の働き方も変えていく。その中ではテレワークが大きな力になる。言葉ありきではなく、どこでも働ける環境を作り、その結果としてテレワークというものにしなければならない」

 ―第5世代移動通信システム「5G」の商用化を見据え、実証を進めています。
 「今までは通信の速度を追求していた。だが5Gになると、同時にたくさんのモノにつながり、遅延もなくなる。自動運転の環境整備が進む中で今まではもっぱら通信の環境を良くしていたが、今後はIoT(モノのインターネット)の実現に大きな役割を果たすことになる」

 ―スマートフォン料金の低廉化に向けた施策は。
 「利用者の利用料と提供するサービスのミスマッチが課題として残っている。企業が利用者目線で、より丁寧にフレンドリーなサービスを提供することで高く払っていた人が適正な価格で利用できる可能性がある。また(格安SIMサービスを提供する)仮想移動体通信事業者(MVNO)は約600社と増えた。各企業がしっかり経営できるように環境の構築に引き続き取り組んでもらえればと思う」

 ―内閣に入ることを決めた理由と、来年の自民党総裁選に向けた考えは。
 「良い時はともかく、非常に苦しんでいる時にいたずらに仲間が今の(安倍)総裁を批判して政権を弱くするのはひきょうなこと。今まで外野で言っていたことを、中できちっと伝えることが必要だ。(総裁選については)今決め打ちすることは考えていないが、方向性としてそこに向けて進んでいく」
(聞き手=清水耕一郎)
日刊工業新聞2017年8月14日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
自民党の中の正規ルート(総裁選)で勝つのはなかなか難しいだろう。石破氏を推すのか、それとも小池都知事、あるいは民進党を離党した細野さんなどとの連携もありうるのか。大臣ポストに関していえば、もともと郵政族。総務大臣の仕事領域は広いだけに、うまく優先順位を付けてリーダーシップをとってもらいたい。

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