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前の信号あと何秒で赤から青に? アウディが米国で車向けサービス開始へ

車とインフラの情報連携「V2I」で初の試み
前の信号あと何秒で赤から青に? アウディが米国で車向けサービス開始へ

アウディの発表資料から

 自動車が複数の交通信号と通信しながら、道路前方の赤信号があと何秒で青に変わるか運転席の表示システムで知らせてくれるサービスが年内にも米国で始まる。アウディ米国法人が15日に発表したもので、同社によれば、車とインフラが情報をやり取りする「ビークル・トゥー・インフラストラクチャー(V2I)」システムとしては初めてのものになるという。アウディQ7、A4、A4オールロードの6月1日以降に製造された車種で、アウディの自動車向け通信サービス「アウディコネクトプライム」付きのモデルが対象。この秋の遅い時期に米国の一部の地域や大都市圏でサービスを開始する。

 その仕組みは、高速モバイル通信のLTE経由で、対象となる地域の交通信号管理システムのサーバーとアウディコネクトプライムとをアウディコネクトとを接続し、車がリアルタイムで信号の情報を入手するというもの。車のインストゥルメントパネルや、もし装備されていればヘッドアップディスプレーに、あと何秒で信号が青に変わるか表示される。事故防止や交通渋滞の発生を抑制する効果などが期待されるという。2017年以降も対応する地域を広げていく計画だ。

 ニュースリリースの中で同社のコネクテッド車部門ゼネラルマネージャーは「アウディのV2Iの取り組みの第一段階」と述べ、将来は車のナビゲーションや発進・停止といった分野にもV2Iを活用していく方針だという。


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藤元正
藤元正 Fujimoto Tadashi
V2Iはスマートシティーの構成要素ともいえ、インフラも車もどんどん知能化する。これに加え、車同士が通信しあうビークル・トゥー・ビークル(V2V)が進展すれば、交通事故も減っていくことだろう。ただ、問題は(自動運転車も同様に)対応した車とそうでない車が混在する端境期。技術の進歩だけでは解決が難しく、普及のための政策が重要になる。

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