蓄電池に参入した米テスラ。イーロン・マスクCEOの野望!

家庭・産業用でソーラーシティーとの相乗効果狙う。日本は来年発売か?

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セダンのモデルSと壁掛け式蓄電池のPowerwall(左上)
 米テスラモーターズのイーロン・マスクCEOが4月30日夜、事前の予想通り、家庭用および産業用のリチウムイオン蓄電池事業への参入を発表した。「パワーウォール(Powerwall)」という商品名で、場所を取らない壁掛けタイプ。しかも、見た目は蓄電池と思えない、やや丸みを帯びつつ、すっきりとしたデザイン。色も白と黒の2色を用意した。この夏に出荷を開始する。NHKの報道によれば、2016年に日本でも発売予定という。

 「モデルS」などテスラの電気自動車(EV)同様、パナソニック製の蓄電池を採用している。さらにテスラはパナソニックも事業参画する形で、総額50億ドルを投じ、ネバダ州リノ近郊に大規模蓄電池工場「ギガファクトリー」を建設中。2017年稼働予定のこの新工場で、パワーウォールの製造も行う。

 テスラには、EVだけでなく家庭用・産業用にも蓄電池を供給し、安定した利益確保と蓄電池のコストダウンにつなげる狙いがあるとみられる。同時に、太陽電池パネルなど再生可能エネルギーの導入促進も目的の一つ。マスクCEOが会長を務め、太陽光発電パネルを供給するソーラーシティーをはじめとする代理店が蓄電池の販売を担当し、ソーラーシティーとの事業面での相乗効果も見込める。

 パワーウォールの大きさは、高さ130cm、幅86cm、厚さ18cmで重量100kg。10年保証つき。現在の家庭用蓄電池に比べて価格も手頃だ。7KW(キロワット)時タイプが3000ドル(約36万円)、10KW時が3500ドル(約42万円)。ただし、AC/DCインバーターは含まれない。直接比較は難しいが、日本国内の家庭用リチウムイオン蓄電池は国の補助金を適用しても7KW時前後のタイプで100万円程度(工事費含む)するという。

 一方で、1ユニット当たり100KW時という産業用は、工場や電力会社が再生可能エネルギーの電力を貯めておいて使ったりする。コストは1KW時当たり250ドル。マスクCEOによれば、同社の顧客の間はすでに、合計250MW(メガワット)時に相当する導入計画があるという。

COMMENT

藤元正
モノづくり日本会議実行委員会

今やシリコンバレーを代表するシリアルアントレプレナー(連続起業家)のイーロン・マスク氏。ただ、高級車だけにEVの販売では苦労も見られる。蓄電池ビジネスへの参入で経営の安定化をもくろむが、巨額投資のギガファクトリーとともに勝負に打って出た格好だ。

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