高精度・高速で精密部品を生み出す ―中国やインドなどの海外でも製品が活躍

理系・語学系×企業ジョブマッチング／ツガミ

2023年03月03日教育・キャリア

記者の目／ここに注目
□精密加工のプロから信頼が厚い独自の製品技術
□活躍の場は世界

日々の暮らしを快適で便利にしてきた時計やパソコン、スマートフォン（スマホ）などの精密機器。これらの高い機能性は、搭載されている精密部品が源泉であり、その精密部品を生み出しているのが、ツガミの工作機械だ。寸法や形状などミクロン単位の精度で加工するCNC自動旋盤やマシニングセンタ（MC）、研削盤の製品群を誇る。工場内のスペースの有効活用と使用時のエネルギー効率の高さを強みに小型工作機械の総合メーカーとして、民生品から産業分野まで、さまざまな分野でモノづくりを支えている。

エンジニア志望者の理想的環境

現代社会の生活に欠かせない各種情報通信機器に搭載される精密部品は、複雑な形状や厳格な幾何公差が要求されるため、機械精度に優れたCNC自動旋盤を使って生産される。その主要メーカーの一角を占めてきたのがツガミである。精密電子部品を製造する国内大手メーカーや中小規模の部品加工業など、工作機械のユーザーに「高精度」「高速」「高剛性」で安定した品質の部品を量産できる価値を提供してきた。国内の機械加工産業が成熟しつつある昨今は、海外のユーザーから高い評価を受け、プレゼンスを高めている。今後もワールドワイドにビジネスを展開していく。

日本や欧米向けの高精度で効率性を高めたハイエンドな製品の開発と製造を手掛けながら、中国をはじめとした新興国の市場も確実に攻略し、収益力を高めて手堅く事業を展開する。製品の開発や生産技術の確立の一役を担うエンジニア志望者にとっては、安心して自身の知識や経験を活かして、仕事ができる体制が整っている。

独自の技術開発により全世界で高い評価

主力製品のCNC自動旋盤では、ガイドブッシュを使う加工とガイドブッシュを使わない高精度短尺部品の加工を容易に切替できるなど、独自の技術開発を手掛け、全世界で評価をされ、独自のポジションを獲得しているツガミ。その中核を担う技術者には国内に留まらず、海外でも力を発揮することを期待する。人材に求めるのは、習慣や文化が違う海外でも臆せず、顧客に献身的に寄り添い、モノづくりを支える意欲だ。採用時の面接では、志望者に海外で勤務する可能性があることを伝える。困難でも前向きに、やり切る覚悟、強い気持ち、たくましさを求める。学歴や経験は問わない。

たとえば、20代後半の若手社員が営業技術担当者として米国に赴任し、現地のユーザーに対してサポートやメンテナンスを行うなど、エンジニアが海外に赴任する実例はツガミでは珍しいことではない。

実際に米国での勤務を経験した長岡工場技術四部開発グループ技師の頓所正人さんは、日本とは異なる価値観の顧客と触れ合うことで学ぶことが多かったという。

「現地のユーザーと信頼関係を構築するのは大変でしたが、その経験から『顧客の要望に応える機械を開発したい』という思いが深くなり、製品開発の部門で働きたいという思いが明確になりました」と振り返る。

自分の知識や経験を活かした製品や技術の開発を志すエンジニア志望者は、専門性を高める努力に加え、異なる価値観や生い立ちを持つ人と一緒に共同で作業を進めたり、環境や文化が日本と異なる状況で働くことになった場合も乗りきる強い精神力を身に付けたりすることを日ごろから意識しておくと将来、技術者としても可能性が広がるであろう。ツガミでの技術者としての経験は技術者としてだけでなく、人としても大きく成長するチャンスになる。

製品技術や社会環境が変われば、ツガミが置かれる立場も変わる。それでも世の中はこれからも省エネや効率などが重要視されるだろう。小型工作機械への期待はさらに大きくなるだろう。そのときにツガミが選ばれるように、経営層も知恵を絞り、手堅く事業を展開しながら、社員が成長を感じられる舞台を用意する。会社の将来性、社員個人が自らの成長を実感できるという点で、ツガミは大きな可能性を秘めている。

理系出身の若手社員に聞く
海外を舞台にしたダイナミックな仕事で成長

ユーザーの要望や現状の課題に対する改良策を盛り込んだ製品を開発しています。工作機械は学生のときから知っていました。さまざまな産業を支えるのに欠かせない機械であること、そのなかでも当社の機械は小型でありながら、正確な動きで高精度が必要な精密部品を生み出し、世界で活躍していることが魅力でした。入社後は海外での勤務も経験し、日本とは違う価値観や考え方の方々との仕事を通して、成長を実感できました。世界を舞台にダイナミックに仕事ができる会社です。