ニュースイッチ

研究開発力を武器に眼科医療に貢献―コンタクトレンズケア用品と点眼薬を2本柱に

理系・語学系×企業ジョブマッチング/オフテクス
記者の目/ここに注目
□新製品の開発力に自信を持ち、さらなる高みを目指す
□きれいな環境下でのモノづくり
代表取締役社長
米田 穣さん

オフテクスはコンタクトレンズケア用品および点眼薬の開発と製造・販売を手がける。コンタクトレンズケア用品事業と医薬品事業を2本柱とし、強みである研究開発力を活かしたユーザーへの貢献を推進する。「世界の眼科医療に貢献する」をミッションに掲げ、「グローバルアイケアカンパニー」を目指した事業展開に力を注いでいる。

米田穣社長は「現在はコンタクトレンズケアが中心であるが、将来的には国内だけでなく海外まで、点眼薬を含めたアイケア全体に事業領域を拡大したい」と先を見据える。ただ、目下の注力課題は国内市場のさらなる拡大である。「国内でシェアを拡大できる部分はまだまだある。当社は日本の企業なので、まずは国内市場の深耕を強化する。その次に海外市場の展開に力を入れる」と続ける。

研究開発から製造・販売を一貫

コンタクトレンズケア用品はコンタクトレンズと合わせて、コンタクトレンズメーカーが製造しているのがほとんど。一方、点眼薬については一般的に製薬会社が製造・販売を行っている。「当社はこの両方を手がけているのが特徴であり、研究開発から製造・販売まで一貫して行えるのが一番の強みである」(同)と、競合他社との違いを強調する。

新製品の開発力に自信を持ち、さらなる高みを目指す同社が求める人材は、理工系で英語が話せる人材だ。点眼薬などの許認可に関わる業務もあるため、薬学部出身の人材も必要だという。人材不足が叫ばれる昨今、毎年、試行錯誤し、改善しながら採用活動を進めている。

点眼薬の市場拡大に注力

同社において理工系人材が活躍できるフィールドは、研究職以外にも臨床試験の企画や実施を行う業務、眼科医に対する学術営業的な業務、そのほか、薬事関係の業務などがある。また、研究開発から実生産につなげるプロセスに関わる業務などもあり、業務内容は幅広い。「こういった仕事は、やはり理工系以外の人材には難しいと思う」(同)と説明する。

現在、文科系社員と理工系社員の割合は半々程度。これまでの採用は理工系人材が多かったが、ここ1〜2年は文科系人材の採用を多くしているという。研究開発型のイメージが強い同社であるが、製品の販売など社交性が求められる業務も重要であり、こういった対外的な業務に関しては文科系人材の方が、より適性が高いと考えるからだ。また、女性の適性や能力にも注目しており、同社では女性従業員の割合も高いという。

「業種柄、きれいな環境下でモノづくりをしており、オフィスは清潔感があり、明るい。こういったことも女性の応募につながっているのでは」(同)と評価している。

左:クリアデュー ハイドロ:ワンステップ
右:クリアデュー プロケアソリューション

今後の展開で特に力を注ぐのは、点眼薬の知名度向上と需要拡大である。「点眼薬については特長があるものを提供しているが、市場での知名度は、まだまだ低い。この部分の認知度向上が目下の注力課題である」(同)と今後の展開について説明する。

2016年以降、業績は右肩上がりという同社。コンタクトレンズケア用品の新製品が好調だったこともあり、今期は過去最高となる売上約52億円を記録した。今後も、強みである製品開発力を活かし“地方の会社でも世界を狙える、国内市場で存在感を出せる会社”“地域社会に根ざし、貢献できる会社”を目指して地域経済を盛り上げていく方針だ。

理系出身の社員に聞く
潜在的な問題を発見し、解決策を世に広める

神戸研究所課長
田井 枝里子さん
(2008年入社)

コンタクトレンズ装用者が抱える問題を解決するための製品を開発しています。また、これらの製品の特長を知ってもらうための訴求活動にも取り組んでいます。コンタクトレンズ装用者が気づいていない問題を発見し、これを世の中に伝えていくことができる重要な役割だと考えています。当社の製品を通して、コンタクトレンズユーザーの方々に、「快適な装用を続けられる」という価値を提供できることが、何よりのやりがいになっています。

会社DATA
所在地 神戸市中央区港島南町5-2-4
設立 1981年6月
代表者 代表取締役社長 米田 穣
資本金 1億円
従業員数 210人
業務内容 コンタクトレンズケア用品および眼科医薬品の開発・製造・販売
URL https://www.ophtecs.co.jp/

特集・連載情報

スキルを活かす!理系・語学系×企業 ジョブマッチング
スキルを活かす!理系・語学系×企業 ジョブマッチング
2024年卒の理工系および外国語系学生必見!上場企業から中堅・中小企業まで独自の技術や製品・サービスを持つ優良企業を、日刊工業新聞記者が各企業の特長や将来性、業界での優位性、働き甲斐などについて第三者の視点で紹介します。

編集部のおすすめ